セールスフォース(ティッカー:$CRM)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.44 | $2.37 | 〇 |
売上高 | $9.13B (YoY +10.7%) | $9.15B | × |
ガイダンス 2025Q2売上高 | $9.225B ($9.20B~$9.25B) | $9.34B | × |
ガイダンス 通年売上高 | $37.85B ($37.7B~$38.0B) | $38.0B | × |
業績ハイライト
第1四半期の業績
- 売上高は91.3億ドル、前年同期比11%増(実質および為替換算後ベースで11%増)
- サブスクリプションおよびサポート収益は、前年同期比12%増(実質ベースで13%増)
- 第1四半期の非GAAP営業利益率は32.1%で、前年同期比450ベーシスポイントの改善
- 第1四半期のオペレーティング・キャッシュフローは62.5億ドル、前年同期比39%増
- 第1四半期のフリー・キャッシュフローは61億ドル、前年同期比43%増
2025会計年度通期の見通し
- 売上高は377億ドルから380億ドルの範囲で据え置き(前年比8%から9%の成長)
- サブスクリプションおよびサポート収益は、実質ベースで前年比約10%の成長を見込む
- 2025会計年度の非GAAP営業利益率は32.5%を見込み、前年比200ベーシスポイントの改善を見込む
- 2025会計年度のオペレーティング・キャッシュフローは前年比21%から24%の成長を見込む
- 2025会計年度のフリー・キャッシュフローは前年比23%から26%の成長を見込む
質疑応答ハイライト
マクロ環境と事業の見通しについて
- 第1四半期の業績は予想を下回ったが、通期のガイダンスは据え置いている
- 顧客の慎重な購買行動は過去2年間と同様の傾向が継続しているが、一方でデータクラウドや業界別ソリューションの需要は堅調
- セールスフォースの製品に対する需要は引き続き強く、マルチクラウドの採用やパッケージの変更によるメリットも見込まれる
- 解約率は8%台で安定しており、顧客はセールスフォースに業務を依存し続けている
人工知能(AI)への取り組みについて
- 企業にとってAIを機能させるために最も重要なのは、顧客データとそのメタデータであり、セールスフォースは世界最大級の膨大な顧客データを管理している
- データクラウドは、顧客にAIを適用するための重要な基盤となっており、全てのクラウドをつなぐ役割を果たしている
- セールスフォースは、AIを自社製品に統合し、従業員の生産性を高めている
- 他社と提携し、ゼロコピーのデータ連携を実現することで、顧客企業のAI活用を支援している
M&Aの方針について
- セールスフォースは、イノベーションのためにM&Aを活用してきた実績がある
- 今後のM&Aにおいては、顧客にとって付加価値があり、財務的にもプラスの影響があるものに注力する
- 大規模なM&Aを検討する際は、株主価値を最大化するために、バランスシートの健全性やキャッシュフローへの影響を慎重に見極める
- 一方で、有望な企業が見つかれば、従来の方針に沿ってM&Aを活用していく方針に変わりはない
営業組織の変更と販売パイプラインについて
- 第1四半期は、営業組織の変更による影響もあり、ブッキングスが軟調だった
- 営業組織の変更は、長期的な生産性向上と顧客体験の改善を目的としたもので、第2四半期以降にその効果が表れると考えている
- 現在の事業環境では、期初の販売パイプラインを従来の2倍から3倍に増やす必要がある
- セールスフォースの営業担当者に対しては、AIやデータに関する教育を強化し、お客様に新しい価値を提供できるようにしている
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