GEエアロスペース(ティッカー:$GE)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.49 | $1.27 | 〇 |
売上高 | $9.0B (YoY +11%) | 9.05B | × |
ガイダンス 通年EPS | $5.28 ($5.10~$5.45) | $5.42 | × |
業績ハイライト
全社業績サマリー
指標 | 数値 | 前年比 |
---|---|---|
受注高 | +12% | ✅ (緑) |
売上高 | +11% | ✅ (緑) |
営業利益 | $21億(+38%) | ✅ (緑) |
営業利益率 | 23.8%(+460bps) | ✅ (緑) |
EPS | $1.49(+60%) | ✅ (緑) |
フリーキャッシュフロー | $14億(-14%) | ❌ (赤)(予想通り) |
セグメント別業績(CES & DPT)
Commercial Engines & Services(CES)
指標 | 数値 | 前年比 |
受注高 | +15%(サービス +31%、設備 -13%) | ✅ (緑) |
売上高 | +14%(サービス +17%、設備 +9%) | ✅ (緑) |
営業利益 | $19億(+35%) | ✅ (緑) |
営業利益率 | 27.5%(+420bps) | ✅ (緑) |
- スペアパーツ売上:+20%超(ボリューム・価格ともに寄与)
- 内部ショップビジット売上:+11%
- LEAP関連:外部ショップビジット +60%、LEAP納入数は前年比 -13%、ただし耐久性向上キット装着率は全数に拡大
Defense and Propulsion Technologies(DPT)
指標 | 数値 | 前年比 |
受注高 | 横ばい(サービス +14%、設備減) | ⚪ |
売上高 | +1% | ⚪ |
営業利益 | +16% | ✅ (緑) |
営業利益率 | 12.7%(+160bps) | ✅ (緑) |
- 米空軍との$50億契約(F110エンジン)
- T901、XA102など先進エンジン開発が進捗
見通し(ガイダンス)
指標 | 通期見通し | 備考 |
売上高成長率 | +10%台前半 | 維持 |
営業利益 | $78億〜$82億 | 維持 |
EPS | $5.10〜$5.45 | 維持 |
FCF | $63億〜$68億 | 維持 |
- 通期の航空便数成長率:年初「+5%」から「+1〜2%」に下方修正 ❌ (赤)
- 中国市場向けスペアパーツ売上:関税影響により減速想定 ❌ (赤)
- 一方で90%以上のQ2スペアパーツは既に受注済 ✅ (緑)
質疑応答ハイライト
米中関係・関税影響に関する質問
Q: 関税についての政府との交渉状況と今後の見通しは?
A (Culp CEO): 政府上層部とも面会済み。航空分野の無関税体制(1979年〜)の意義を訴えている。現時点では2025年末まで関税継続と仮定。
利益率見通しに関する質問
Q: 今後のマージンの見通しは?
A (Ghai CFO): Q1は強いスタート。Q2も同等またはやや増益見込む。下期はOE増加・北米出発便の鈍化等を保守的に織り込み。
出発便数とショップビジットの関連
Q: 出発便が横ばいでもショップビジットに影響あるか?
A (Culp): 出発便減速の影響は2〜4四半期遅れで表れる傾向。現時点ではショップの滞留エンジンも多く、2025年中は強いサービス需要継続と見ている。
価格戦略と関税対策
Q: 関税による価格戦略の変化は?
A (Ghai): 通常の価格改定(夏季)に加え、関税分を一時的サーチャージで対応予定。長期契約ではなく、状況次第で解除可能。
スペアパーツ売上構成
Q: Q1の20%以上のスペアパーツ成長は中国の事前購入?
A (Culp): 事前購入ではない。1〜3月は典型的に動きが鈍いが、出発便数(+4%)の底堅さと、LEAPなどの拡大が要因。
LEAPエンジン価格の将来寄与
Q: LEAP価格上昇がPLに反映されるタイミングは?
A (Ghai): 価格引き上げ契約は増加中だが、実際のP&Lへの反映には2〜3年程度かかる見込み。
サプライチェーンと関税支援
Q: サプライヤーは関税分の還付(Duty Drawback)を受けられるか?
A (Ghai): GEはサプライヤーに還付手続き支援を実施中。一部はGEが直接処理、支払いまで4〜5か月程度。
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