Micron technology(ティッカー:$MU)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.42 | $-0.24 | 〇 |
売上高 | $5.82B (YoY +58%) | $5.35B | 〇 |
ガイダンス 2024Q3EPS | $0.45 ($0.38~$0.52) | $0.21 | 〇 |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $6.6B ($6.4B~$6.8B) | $6.0B | 〇 |
業績ハイライト
HBM3Eの需要が非常に強い
- 2024年の生産能力はすでに完売しており、2025年の生産能力の大部分も割り当て済み
- 業界トップクラスの性能を持ち、消費電力は30%低い
- 顧客の需要に応えきれないほどの注文がある
- 2025年までにHBMのシェアをDRAMのシェアと同等にする目標
データセンター向けの需要が回復
- 過去数ヶ月でデータセンター顧客からの注文増加を確認
- 在庫の正常化とAIサーバーの需要増加が要因
- 第2四半期のデータセンター向けDRAM収益は前年同期比100%以上増加
- データセンター向けSSDのシェアも過去最高を更新
価格は上昇傾向、需給がタイト化
- データセンターの需要増によりDRAM・NANDの需給がタイト化
- 2024年を通して価格上昇が続くと予想
- 設備投資には慎重で、業績改善を優先
- 設備発注から生産能力増加まで14ヶ月程度のリードタイムがかかる
2025年は記録的な年になる見通し
- 2025年は数年ぶりにデータセンターの需要が年間を通して堅調になると予想
- AIサーバーとレガシーサーバー双方で力強い成長を見込む
- DRAM・NAND共に2025年は記録的な年になると期待
質疑応答ハイライト
HBMの供給制約について
- 過去18ヶ月のダウンターンで業界全体で設備投資が大幅に減少したことが影響
- 先端プロセスへの移行のためウェハ生産能力を構造的に削減していることも要因
- HBM3Eの生産には同容量のDDR5の約3倍のウェハが必要で、供給能力を圧迫
- 収益性はまだ目標に達していないため、慎重に設備投資を行う方針
HBMの顧客について
- 主要なHBMの購入者とはHBM3EだけでなくHBM4以降の製品ロードマップについても協議中
- 2024年の生産能力は完売し、2025年も大部分を割り当て済み
- 2025年にはHBMの顧客基盤をより多様化する目標
- 顧客との契約には、よりコミットメントを強化する厳しい条件を盛り込んでいる
2025年の利益率見通し
- 価格上昇が続くほか、HBMなどの高付加価値品の構成比上昇がプラスに寄与
- コストダウンも正常化し、利益率の拡大に貢献すると予想
- 第4四半期の売上高総利益率は30%を超える見通し
- ビット成長率は、DRAMが第3四半期比若干増、NANDがやや高めの伸びを予想
HBMの価格とボリュームのコミットメントについて
- HBMの1製品あたり搭載容量の大幅な増加によりTAMが拡大し、需要の見通しが立てやすい
- 高性能と省電力を実現したHBM3Eは顧客から高い評価と需要
- 2025年の生産能力の大部分の割り当てを第1四半期中に完了するのは異例
- 一部顧客とは2025年の価格についても交渉済み
需要回復が顕著な分野
- PCとスマートフォンの在庫は正常化が進み、売上高予想は数ヶ月間ほぼ変化なし
- データセンターは予想通り2024年前半から在庫正常化が進み、注文が増加
- 従来型サーバーの売上高は回復基調、AIサーバーは極めて堅調
- DDR5の需要は供給を大幅に上回る。データセンター向けSSDも記録的なシェア
株主還元の考え方
- 収益性改善とフリーキャッシュフロー創出の継続により、バランスシートは引き続き健全
- 投資適格級の格付けを維持することが最優先事項
- フリーキャッシュフローの創出ペースが上がれば、配当の段階的な引き上げを検討
- 余剰資金は株主還元に振り向ける方針に変更なし
在庫の状況について
- 第2四半期末の在庫は、低コストの在庫を除くと金額ベースでは減少
- 2024年を通して在庫回転日数は低下し、2025年末には目標水準に近づく見通し
- 先端プロセス品の在庫は非常にタイトな一方、製品在庫の多くはDDR4
- 仕掛品在庫の積み上がりはHBMなどの先端プロセス品が大きく寄与
- データセンター向けSSDなど高付加価値品は、サイクルタイムが長い傾向
データセンター向けサーバーの出荷台数予想
- 第1四半期の従来型サーバーの出荷は低調も、需要は四半期末にかけて回復
- 第2四半期はさらに改善し、2024年後半は前半を上回ると予想
- AIサーバーの出荷は供給制約の影響を受けるものの、極めて堅調
- 2025年はここ数年で初めて年間を通してデータセンターの需要が力強く拡大する見通し
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