エラスティック(ティッカー:$ESTC)の2025年第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.63 | $0.47 | 〇 |
売上高 | $382.1M (YoY +%) | $368.91M | 〇 |
ガイダンス 2026Q1EPS | $0.365 ($0.36~$0.37) | $0.39 | × |
ガイダンス 2026Q1売上高 | $380M ($379M~$381M) | $374.26M | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $1.935 ($1.91~$1.96) | $1.72 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $1.475B ($1.474B~$1.476B) | $1.46B | 〇 |
📊 業績ハイライト
🔹 売上・成長率
指標 | Q3 FY25 | 前年同期比 |
---|---|---|
総売上 | $382M | +17% |
サブスクリプション売上 | $358M | +16% |
Elastic Cloud売上 | $180M | +26% |
プロフェッショナルサービス売上 | $24M | +18% |
- Elastic Cloudの売上が初めてサブスクリプション売上全体の50%を超える
- 検索(Search)分野の成長が加速し、3つのソリューションの中で最速の成長率を記録
- 米州(Americas)地域が最も高い成長率を記録し、EMEA、APJと続く
💰 収益性・キャッシュフロー
指標 | Q3 FY25 |
---|---|
非GAAP営業利益率 | 16.8% |
非GAAP EPS | $0.63 |
調整後フリーキャッシュフロー | $99M (26%のFCFマージン) |
- 営業利益率が前年を上回る
- フリーキャッシュフローは引き続き力強く、通期では非GAAP営業利益率を数ポイント上回ると予想
📈 ガイダンス(見通し)
指標 | Q4 FY25 | FY25 通期 |
---|---|---|
総売上 | $379M – $381M | $1.474B – $1.476B |
前年比成長率(売上) | +13%(報告ベース) / +15%(恒常通貨ベース) | +16%(報告ベース) / +17%(恒常通貨ベース) |
非GAAP営業利益率 | 13.5% | 14.7% |
非GAAP EPS | $0.36 – $0.37 | $1.91 – $1.96 |
- Q4は営業日数の減少(前年同期比3日減)により約$10Mの売上減少要因
- 為替変動(USD高)の影響による$1M – $2Mの売上減少予測
- 2026年度はGen AI分野を中心に投資継続、営業利益率は「控えめな拡大」に留める見通し
🎙️ 質疑応答ハイライト
💡 Q: Q3でのElastic Cloudの好調な成長要因は?
A:
- 企業・商業セグメントの堅調な消費
- 検索、監視(Observability)、セキュリティ各分野でのコンソリデーション需要
- 大規模顧客の成長が加速し、強力な契約締結が進む
- ただし、Q4はQ3ほどのシーケンシャルな成長は見込んでいない
💡 Q: Serverless(サーバーレス)の戦略的な役割は?
A:
- 「数年後にはElastic Cloudの主要提供形態になる」
- AWSでGA、Azureはプレビュー(3月にGA予定)、Google Cloudも今後対応
- 運用コスト削減による長期的な利益率向上を期待
- 移行ツールの提供を通じて、既存のクラウド顧客もServerlessへ移行促進
💡 Q: Elasticのセキュリティソリューションの市場でのポジショニングは?
A:
- AIを活用したSOC(Security Operations Center)自動化が注目を集める
- コスト競争力とスケーラビリティが競争優位性
- 「ElasticはSIEM市場での競争力を高めており、従来の高額なソリューションからの移行を促進」
💡 Q: Gen AI(生成AI)の影響と拡大の方向性は?
A:
- 検索エンジン(Search)がAIワークロードの中核へ
- 企業はテキスト検索 → セマンティック検索 → RAG(Retrieval Augmented Generation)アプリ開発へと進化
- AI機能を利用するElastic Cloud顧客は1,750社を超え、そのうち270社が$100K以上の契約
- エージェント型AI(Agentic AI)が今後の成長領域
💡 Q: 百万ドル超の顧客数の伸びは?
A:
- Q3時点で1,460社、前年比増加
- 百万ドル超の契約顧客数は、FY24全体をQ3終了時点で既に上回る
- 企業・中堅市場向けに焦点を当てた営業戦略の成果
💡 Q: AI活用による顧客の消費増加は価格の問題にならないか?
A:
- Gen AIを活用することでACV(年間契約価値)が数倍に増加する事例あり
- 同時にコスト削減を図る機能を強化し、長期的な価値提供を重視
- 「AIの利用拡大がElasticのTAM(市場規模)を広げる」
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