ブラックロック(ティッカー:$BLK)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $10.39 | $9.96 | 〇 |
売上高 | $4.81B (YoY +7.8%) | $4.78B | 〇 |
業績ハイライト
財務実績
- 第2四半期の純利益は820億ドル、運用資産残高は過去最高の10.6兆ドルに到達
- 純収益は前年同期比8%増の48億ドル
- 営業利益は前年同期比12%増の19億ドル
- 1株当たり利益は前年同期比12%増の10.36ドル
- 運用手数料と証券貸付収益は前年同期比7%増の39億ドル
ビジネスハイライト
- iSharesETFは第2四半期に830億ドルの純流入を記録
- リテール部門は60億ドルの純流入
- プライベート・マーケット部門は20億ドルの純流入
- テクノロジーサービス収益は前年同期比10%増
- アニュアル・コントラクト・バリュー(ACV)は前年同期比10%増
戦略的展開
- Global Infrastructure Partners (GIP)の買収を第3四半期に完了予定
- Preqinの買収を発表し、プライベート市場データ分野に進出
- LifePath Paycheckの立ち上げに成功
- テキサス証券取引所設立への投資を発表
- インドのJio BlackRock合弁事業を資産運用からブローカレッジと富裕層向け事業に拡大
質疑応答ハイライト
有機成長の見通しについて
- 第2四半期の有機的手数料成長率は3%で、目標の5%に向けて着実に進展
- ETF、モデルポートフォリオ、Aladdin、プライベート市場が成長を牽引
- GIPの買収完了後、プライベート市場の手数料収入が倍増し、約1000億ドルのAUMが追加される見込み
- 多数の大型機関投資家や富裕層向け案件の資金化が今後数四半期で見込まれる
テクノロジーサービス収益の成長見通し
- テクノロジーサービス収益は前年同期比10%増、四半期ベースで5%増
- ACV成長率10-15%の長期目標を維持
- Preqinの買収により、現在のACVが約15%増加する見込み
- Aladdin、eFront、Preqinの統合により、パブリック市場とプライベート市場の統合プラットフォームを提供
オルタナティブ事業とGIPの統合について
- GIPの買収完了は第3四半期後半を予定
- インフラ投資への需要が高まっており、特にAI、データセンター、エネルギー転換分野で機会が見込まれる
- 買収完了後、新たな商品や戦略の発表を予定
Preqinの買収とプライベート市場の進化
- Preqinの買収により、プライベート市場のデータ、ベンチマーク、指数化の機会が拡大
- Aladdin、eFront、Preqinの統合により、包括的なプライベート市場プラットフォームを構築
- プライベート市場の指数化や、より多くのリテール向け商品の開発を目指す
債券投資の動向
- 現金からのリスク資産への再配分が始まっている
- 債券ETFへの資金流入が継続、特にコア債券ポートフォリオでの利用が増加
- プライベートクレジットやインフラ債券など、より高いリターンを求める動きも見られる
キャッシュマネジメントと資産配分の動向
- キャッシュマネジメント部門は300億ドルの純流入
- 銀行からマネーマーケットファンドへの資金シフトが継続
- 年金基金など一部の投資家はリスク資産を削減し、インフラ投資などへシフト
- ETFをコア投資とし、プライベート市場などでアルファを追求する「バーベル戦略」が広がる傾向
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