ボーイング(ティッカー:$BA)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | -$7.47 | -$2.38 | × |
| 売上高 | $23.27B (YoY +30.4%) | $22.13B | 〇 |
📊 業績ハイライト
📈 全社業績概要
| 項目 | 第3四半期(2025年) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 233億ドル | +30% |
| フリーキャッシュフロー | +2.38億ドル | 黒字転換(2023年Q4以来) |
| コア1株当たり損失 | ▲7.47ドル | – |
| 777X開発費引当金 | ▲49億ドル(非現金) | – |
- ポジティブ要素:
- 商用機納入台数が2018年以来の最高水準。
- フリーキャッシュフローが黒字転換。
- 737/787の生産体制がFAAにより42機/月へ正式承認。
- ネガティブ要素:
- 777Xの初納入時期が2026年→2027年へ延期。
- 遅延に伴い、▲49億ドルの損失計上。
✈️ 商用航空機部門(BCA)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 売上高 | 111億ドル(+約50%) |
| 営業利益率 | ▲48.3%(777X損失の影響) |
| 納入機数 | 160機(四半期ベースで2018年以来最多) |
| 受注 | 161機(例:トルコ航空向け787、ノルウェー向け737) |
| バックログ | 5,900機超 / 5,350億ドル |
主要プログラム進捗:
| 機種 | 生産・納入状況 | 備考 |
|---|---|---|
| 737 | 121機納入(うち9月:41機) 生産レート:38→42機/月(10月より) | FAA承認済。次は47機/月への移行検討(6ヶ月以上空ける)。 |
| 737-7/737-10 | 設計変更完了、認証に向けFAAと作業中 | 2026年に認証完了見通し |
| 787 | 24機納入 在庫:約10機(2023年以前製造) | 年末までに生産レート8機/月に移行予定、10機/月は2026年中 |
| 777X | 認証遅延により初納入は2027年へ延期 | ▲49億ドル損失計上(コスト増、顧客補償、学習曲線調整含む) |
🛡️ 防衛・宇宙・セキュリティ(BDS)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 売上高 | 69億ドル(+25%) |
| 営業利益率 | 1.7%(前年より改善) |
| 納入実績 | 30機 + 衛星2基 |
| 受注 | 90億ドル |
| バックログ | 760億ドル(過去最高) |
- 主な契約獲得:
- 米宇宙軍:戦略通信衛星(ES-Sat)契約:28億ドル
- PAC-3シーカー:27億ドル(追加製造契約)
- 主要進展:
- KC-46空中給油機:累計100機納入達成
- T-7A:顧客向け試験機の生産開始
- セントルイスでの労働組合IAMのストライキ:生産継続、影響は最小
🧰 グローバルサービス(BGS)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 売上高 | 54億ドル(+10%) |
| 営業利益率 | 17.5%(+0.5pt) |
| 受注 | 80億ドル |
| YTDブック・トゥ・ビル | 1.2 |
- 主な契約実績:
- 米海軍:F-18の修理関連契約(4億ドル超)
- EVA航空:デジタル診断ツール契約
- M&A関連:
- Jeppesen事業の売却:2025年Q4中に完了予定
- Spirit AeroSystems買収:EU承認済、米国当局承認待ち
📅 ガイダンス・見通し
| 項目 | 見通し(2025年) |
|---|---|
| フリーキャッシュフロー | ▲25億ドル(従来▲30億ドルから改善) |
| 設備投資(CapEx) | 30億ドル前後(従来より上方修正) |
| 777Xプログラムキャッシュ影響 | 2026年:▲20億ドル程度の逆風(納入遅延による) |
💬 質疑応答ハイライト
🛬 777X開発遅延の要因と今後の見通し
Q:(BofA)なぜ今になって遅延と損失を再認識?
A(CEO Ortberg)
- 機体・エンジンには技術的問題なし。むしろ試験時間は4,000時間以上と過去最大級。
- 遅延の主因はFAAとのTIA(Type Inspection Authorization)取得の遅れ。
- FAAとBoeing両方に学びがあった。今後はより現実的なスケジュールへ再構築。
Q:(Vertical Research)なぜ49億ドルもの巨額損失?
A(CFO Malave)
- 遅延により:
- 製造コスト上昇
- 再作業(リワーク)費増
- 顧客補償増
- 学習曲線調整
- コストの現実を反映したより保守的な見積り。
✈️ 737の生産レート見通し
Q:(Goldman Sachs)737はいつ42機/月に?次のレート引き上げは?
A(Ortberg)
- 既に42機/月の生産体制へ移行中。
- FAAと合意済。今後は最低6ヶ月おきに+5機のペースで増産予定。
- 次は47機/月 → 52機/月と段階的に。サプライチェーンの安定性も重視。
✈️ 787の増産と制約要因
Q:(Morgan Stanley、Bernsteinなど)787はいつ10機/月に?
A(Ortberg)
- 2025年末:8機/月、2026年中:10機/月を計画。
- 供給制約は「座席(シート)認証の遅れ」が主因。
- **チャールストン工場の大規模拡張(床面積2倍)**進行中 → 2028年に向け、12〜14機/月を視野。
💵 キャッシュフロー見通しと長期目標
Q:(JP Morgan, Deutsche Bank)2025年/2026年のCF見通しと「100億ドル目標」の妥当性?
A(Malave)
- 2025年:▲25億ドル(▲30億から上方修正)
- 2025Q4はBDSの季節性インフロー+ DOJ罰金(7億ドル)次第
- 2026年:(現時点で未開示)だがポジティブトレンド継続
- 100億ドル目標については「長期的には到達可能」だが、具体的な時期は2026年の戦略更新時に改めて提示予定
🛠️ M&Aとポートフォリオ戦略
Q:(Morgan Stanley)Spirit AeroSystemsやJeppesen売却後のM&A戦略?
A(Ortberg)
- 現時点のM&AはSpirit再統合とJeppesen売却の完了が優先。
- Spirit買収:EU承認済、米国は審査中。進行に問題なし。

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