アーム(ティッカー:$ARM)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.39 | $0.30 | 〇 |
売上高 | $983M (YoY +%) | $948M | 〇 |
ガイダンス 2025Q4EPS | $0.52 ($0.48~$0.56) | $0.52 | 〇 |
ガイダンス 2025Q4売上高 | $1.225B ($1.175B~$1.275B) | $1.22B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $1.60 ($1.56~$1.64) | $1.56 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $3.99B ($3.94B~$4.04B) | $3.95B | 〇 |
業績ハイライト
売上高実績
- 第3四半期の総売上高は前年同期比19%増の983百万ドル(ガイダンス上限を上回る)
- ロイヤルティ収入は前年同期比23%増の580百万ドルで過去最高を記録
- ライセンス収入は前年同期比14%増の403百万ドル(予想を上回る)
業績の主要ドライバー
- v9とCSSの採用拡大
- AI需要の継続的な増加
- データセンター向けカスタムシリコンの成長
- スマートフォン、データセンター、ネットワーク機器、自動車向けのロイヤルティ収入は予想通り
- IoT向けは複数四半期の弱さの後、回復の兆し
主要な事業進展
- MediaTekのDimensity 9400(v9およびCSS採用)がOppoとVivoのフラッグシップスマートフォンに採用
- AWSのGraviton、MicrosoftのCobalt、GoogleのAxion、NVIDIAのGrace ARM採用チップでデータセンターシェア拡大
- AWSの過去2年間のCPU新規導入容量の50%以上がGravitonに
- AWS EC2トップ1,000顧客の90%以上がGravitonを使用
今後の見通し
- 第4四半期の売上高見通し:1,175百万-1,275百万ドル(中央値で前年同期比32%増)
- 第4四半期の非GAAPベース営業費用見通し:約590百万ドル
- 第4四半期の非GAAPベースEPS見通し:0.48-0.56ドル
- 2025年度の売上高見通し:約40億ドル(前年同期比24%増)
- 2025年度のロイヤルティ収入成長率見通し:前年同期比10%台後半
- 2025年度のライセンス収入成長率見通し:前年同期比約30%増
- 2025年度の非GAAPベース営業費用見通し:約21億ドル(前年同期比21%増)
- 2025年度の非GAAPベースEPS見通し:1.56-1.64ドル
質疑応答ハイライト
Stargateプロジェクトとクリスタルインテリジェンス
- StargateはOpenAI、Oracle、SoftBank、Microsoft、NVIDIAとの提携による1,000億ドル規模のAIインフラプロジェクト
- ArmはCPUプロバイダーとして参画
- クリスタルインテリジェンスはSoftBankとOpenAIとの共同開発によるAIエージェント開発プロジェクト
- 両プロジェクトともArmにとって重要な事業機会
v9の採用状況
- ロイヤルティ収入全体に占める割合は25%で前四半期から横ばい
- 絶対額では前年比で3桁成長
- 最終的には67-70%まで成長すると予想
- OEM製品の市場投入タイミングに依存して段階的に拡大
CSSの展開
- MediaTek Dimensity 9400、Microsoft Cobaltなどで採用が進む
- ロイヤルティ率はv9の約2倍
- 年々レートは上昇
データセンター戦略
- AWS、Microsoft、Google、NVIDIAなど主要プレイヤーでの採用拡大
- AI対応でx86からArmベースへの移行が加速
- Grace BlackwellのGB200がAIデータセンターでの採用を促進
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