アーム(ティッカー:$ARM)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.36 | $0.30 | 〇 |
売上高 | $928M (YoY +46.6%) | $866M | 〇 |
ガイダンス 2025Q1EPS | $0.34 ($0.32~$0.36) | $0.31 | 〇 |
ガイダンス 2025Q1売上高 | $900M ($875M~$925M) | $866M | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $1.55 ($1.45~$1.65) | $1.54 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $3.95B ($3.8B~$4.1B) | $3.98B | × |
業績ハイライト
2024年度第4四半期の業績ハイライト
- 2024年度第4四半期の売上高は前年同期比47%増の9億2,800万ドル
- ロイヤリティ収入は前年同期比37%増の記録的な水準
- ライセンス収入は前年同期比60%増
- 2024年度通期の売上高は32億ドル超えで会社設立以来最高
2025年度の業績見通し
- 2025年度の売上高は38億ドル〜41億ドルの見込み(前年比17%〜27%増)
- 2025年度のロイヤリティ収入は20%台半ばの伸びを予想
- スマートフォンの回復とv9採用拡大、自動車とハイパースケーラーでのシェア獲得が牽引
- コンピュートサブシステムに基づくチップが下半期に立ち上がり始める見込み
- 2026年度と2027年度も年間売上高成長率20%以上を維持する見通し
ARMv9の採用について
- ARMv9の採用は四半期毎に約500ベーシスポイントのペースで拡大
- ARMv9ではロイヤリティ単価がほぼ倍増するため、ロイヤリティ収入の大幅な伸びが期待できる
- 今後2〜3年でARMv9が60%〜70%程度に達する見込み
質疑応答ハイライト
インフラストラクチャ事業とクラウド事業について
- データセンター向けAI需要の高まりはARMにとって追い風
- ARMベースの設計はパワー効率が高く、チップ、ブレード、ラックレベルでTCOメリットがある
- ARMはCPUとGPUの統合により、メモリアクセス性能を大幅に高められる
- ハイパースケーラー各社がARMベースのカスタムチップを発表
- Google、Amazon、Microsoftなど
- LinuxやWindowsを動かすにはARMが事実上の選択肢
- ARMのデータセンター向けシェアは当初想定より速いペースで拡大する見通し
2025年度第1四半期の業績見通しについて
- 売上高は前年同期比30%〜37%増の8億7,500万ドル〜9億2,500万ドルを見込む
- ロイヤリティ収入は約20%の伸び。スマートフォンの回復とv9採用拡大、自動車とハイパースケーラーでのシェア獲得が牽引
- 産業向けIoTではインベントリ調整の影響で弱い見通し
- 営業費用は前四半期比で減少する見込み
- 一時的な要因と報酬体系の変更による
- 1株当たり利益は0.32ドル〜0.36ドルを予想
ARMv8からv9への移行について
- v8からv9への移行はv7からv8への移行より速いペースで進む見通し
- インフラストラクチャ向けはほぼ全てv9
- スマートフォンのハイエンド機種でも移行が加速
- 1四半期に約500ベーシスポイントのペースでv9比率が上昇
- 2〜3年程度で60%〜70%に到達する見込み
- v9ではロイヤリティ単価が約2倍に
2025年度のライセンス収入の見通しについて
- 2025年度のライセンス収入は第4四半期に大きく伸びる見込み
- スマートフォン向けの更新需要だけでなく、幅広い分野でのAI関連の新規ライセンス需要が牽引
- ライセンス収入の伸びはロイヤリティ収入の先行指標
- 設計からロイヤリティ収入までは2〜3年のタイムラグがある
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