Advanced Micro Devices(ティッカー:$AMD)の2023年第4四半期決算についてまとめます。
決算概要
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.77 | $0.77 | × |
売上高 | $6.17B (YoY +10.2%) | $6.13B | 〇 |
ガイダンス 2024Q1売上高 | $5.4B ($5.1B~$5.7B) | $5.73B | × |
業績ハイライト
業績ハイライト
- 2023年第4四半期の売上高は前年同期比10%増の62億ドル、通期の売上高は前年比4%減の227億ドル
- データセンターとクライアントセグメントの売上高が第4四半期で大幅な2桁の成長率
- データセンターとエンベデッドセグメントの売上高が2023年通期で過去最高を記録し、全体の50%以上を占める
データセンターセグメント
- 第4四半期の売上高は前年同期比38%増、前四半期比43%増の23億ドルで過去最高
- サーバーCPUとデータセンターGPUの売上高が四半期および通期で過去最高
- クラウド事業者によるEPYCプロセッサの採用が拡大、エンタープライズ市場でもシェアが拡大
- MI300xアクセラレータの立ち上がりが予想以上に早く、顧客の需要が強い
- 2024年のデータセンターGPU売上高は35億ドル以上の見通し
クライアントセグメント
- 第4四半期の売上高は前年同期比62%増の15億ドル
- Ryzen 8000シリーズのノートPCとデスクトップPC向けプロセッサを1月に発売
- Ryzen AIプロセッサのロードマップを加速し、AIパソコン市場でのリーダーシップを拡大
- 2024年のPC市場は緩やかに成長すると予想、特に下半期にAIパソコンの売上が伸びる見通し
2024年の見通し
- データセンターとクライアントセグメントは強い成長を見込む一方、エンベデッドとゲーミングセグメントは減少する見通し
- 全体として力強い売上高の成長と売上総利益率の拡大を見込む
- 1株当たり利益は売上高成長率よりも高い伸び率となる見通し
- 人工知能の普及が本格化し、データセンター、パソコン、組み込み機器の市場を大きく変えていくと予想
質疑応答ハイライト
MI300の立ち上げ状況と供給体制
- 第4四半期のデータセンターGPU売上高は当初予想の4億ドルを上回った
- MI300XのAI製品の立ち上がりが予想以上に早く、顧客の需要が強い
- 第1四半期のデータセンターGPU売上高は前四半期から増加する見通し
- MI300Xの供給体制は順調で、顧客の需要増加に対応するため供給能力を大幅に増強した
従来型サーバーの需要動向
- 2023年の従来型サーバー需要は弱かったが、下半期はAMDのシェアが拡大
- 2024年の従来型サーバー市場は引き続き厳しい状況が続くとみられるが、AMDはシェア拡大の機会があると考えている
- Genoa、Bergamo、SienaなどのAMDの製品ポートフォリオが顧客から高い評価を受けている
- 2024年下半期に投入予定のZen 5ベースのTurinプロセッサに対する期待が大きい
データセンター事業の成長見通し
- 2024年のデータセンターGPU売上高は35億ドル以上の見通し
- 2027年のデータセンター向けAIアクセラレータ市場は約4000億ドル規模に成長すると予想
- 複数世代にわたるインスティンクトGPUのロードマップと、オープンソースのROCmソフトウェア戦略によって、今後数年間で大幅なシェア獲得を目指す
MI300の競争力と顧客動向
- MI300は、大容量メモリと高いメモリ帯域幅によって、大規模な言語モデルの学習と推論に適している
- MI300は性能とコストのバランスに優れ、大手クラウド事業者や企業の顧客から高い評価
- 現時点では学習と推論の両方の用途でMI300が採用されている
- 競合他社の新製品によって競争環境が変化する可能性もあるが、AMDは複数世代のロードマップを計画しており、優位性を維持できると考えている
長期的な製造プロセス戦略
- AMDはTSMCとの緊密なパートナーシップを通じて、最先端の製造プロセス技術を活用していく方針
- 仮に競合他社が製造プロセスで追いついたとしても、AMDはアーキテクチャ設計などの面で差別化を図ることができると考えている
- AMDはCPU、GPU、DPU、アダプティブSoCなどの幅広い製品ポートフォリオを活かして、顧客のニーズに応えていく戦略
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