Super Micro Computer(ティッカー:$SMCI)の2024年度第2四半期決算についてまとめます。
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $5.59 | $5.05 | 〇 |
売上高 | $3.66B (YoY +103%) | $2.80B | 〇 |
ガイダンス 2024Q3EPS | $5.61 ($5.20~$6.01) | $4.61 | 〇 |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $14.5B ($14.3B~$14.7B) | $11.34B | 〇 |
業績ハイライト
記録的な業績
- 第2四半期の売上高は36億6000万ドルで、前年同期比103%増、前期比73%増
- 第2四半期の非GAAPベースの1株当たり利益は5.59ドルで、ガイダンスの上限を上回った
- 2024会計年度の売上高予想を143億ドル~147億ドルに上方修正
AI需要の拡大
- GPU関連の主要システムコンポーネントに対する需要の強さと供給状況の改善が業績を牽引
- AI向けラックスケールソリューション、特にNVIDIA HGX H100ベースの深層学習とLLMに最適化されたシステムの人気が高まっている
- 推論システムとメインストリームのコンピューティングソリューションの需要も拡大し始めている
生産能力の拡張
- 6月までに、月産1,500ラックの液冷ラック生産能力を確保し、総ラック生産能力を月産5,000ラックまで引き上げる予定
- シリコンバレーの本社近くに2つの新しい生産施設と倉庫を追加し、数ヶ月以内に稼働予定
- マレーシアの新施設は、低コストで生産量を増やすためのビルディングブロックの拡張に注力
第3四半期の見通し
- 第3四半期の売上高は37億ドル~41億ドルを予想
- 2024会計年度下期も力強さが継続すると予想
- 2024会計年度通期の売上高は143億ドル~147億ドルを予想
質疑応答ハイライト
需要と供給のバランス
- 需要は依然として供給を上回っている
- 供給が増えれば、より多くの出荷が可能
- 顧客サポートのためにさらに生産能力を拡大することを目指している
液冷の展望
- 業界をリードしており、大規模な液冷ソリューションを提供できる体制が整っている
- 多くの顧客は液冷を好んでいるが、データセンターのインフラ準備にはもう少し時間がかかる
- 液冷の割合は今後も増加すると予想されるが、現時点ではほとんどが空冷式
利益率と市場シェア獲得のバランス
- 新規顧客獲得のために、競争力のある価格設定を行う必要がある
- 急速な成長のために、利益率を下げて市場シェアを獲得することもある
- 規模の経済により、利益率は健全なレベルを維持できると考えている
四半期ごとの売上高の変動要因
- 大規模な受注残があり、供給の制約が主な要因
- 供給状況は改善しているが、まだ制約がある
- 保守的な見通しを立てる必要があるが、供給の改善が売上高の伸びをサポートしている
利益率の目標レンジ
- 2021年3月に設定した目標レンジは14%から17%
- 株主価値を最大化するために、必要に応じて利益率を調整する
- 新技術への先行投資と、市場への迅速な製品投入により、差別化を図る
液冷の採用時期
- 現在の600~700ワットのモジュールは、空冷式でも対応可能
- 1,000ワット以上のモジュールになると、液冷がより重要になる
- 顧客のデータセンターが液冷に対応できるようになったタイミングで、迅速に対応できる体制を整えている
顧客の集中と多様化
- 第2四半期の売上高の26%を占める大口顧客は、前期と同じ顧客
- 11%を占める大口顧客は、長期的な顧客だが初めて10%を超えた
- 今後、総売上高の拡大により、大規模顧客と中小規模顧客のバランスが取れると予想
AIの進化と成長ドライバー
- 今後数年間は、製品の多様化よりも出荷台数の増加が成長を牽引すると予想
- ここ2年間はASPが大きく上昇したため、今後は出荷台数の伸びがASPの上昇を上回ると予想
生産能力の拡大
- 液冷と空冷の両方に対応できる柔軟な生産施設を整備
- 自動化システムにより、販売、生産、サポートのプロセスを効率化し、より多くの顧客をサポートできる体制を整える
- 規模の経済を追求し、収益性と1株当たり利益の向上を目指す
運転資金の確保
- 株式の希薄化を最小限に抑えつつ、追加の資金調達手段を検討中
- 10億ドル以上の売上高の伸びを支えるために、運転資本の追加が必要
- 在庫は10億ドル以上増加しており、さらなる拡大を続けている
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