アステララボ(ティッカー:$ALAB)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.10 | $0.04 | 〇 |
売上高 | $65.3M (YoY +269%) | $56.7M | 〇 |
ガイダンス 2024Q2EPS | $0.11 | $0.06 | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $72.485M ($71.83M~$73.14M) | $62.8M | 〇 |
業績ハイライト
2024年第1四半期の業績
- 売上高は6,530万ドルで、前期比29%増、前年同期比269%増
- 非GAAPベースの営業利益率は24.3%
- プロフォーマ非GAAPベースの希薄化後1株当たり利益は0.10ドル
AIインフラ投資の加速
- 大手ハイパースケーラーの設備投資は前年同期比約45%増の500億ドル近くに
- 年間を通じて設備投資の四半期ごとの成長が示唆されている
- AIモデルのサイズが約6ヶ月ごとに倍増し、クラウドでの高性能AIプラットフォームの需要を後押し
新製品の発表
- Aries 6 PCIe リタイマーを発表。次世代のGPU、AIアクセラレータ、CPU、NIC、CXLメモリコントローラー間の低消費電力PCIe Gen6およびCXL3接続を実現
- PCIeおよびCXL Smart Cable Modules for Active Electrical Cables(AEC)のサンプル出荷を開始。最大7mの銅ケーブル接続をサポート
長期的な成長の見通し
- AIインフラ投資の増加による強力な長期的追い風
- 既存製品ラインの次世代製品が浸透
- 新製品ラインの導入
質疑応答ハイライト
PCI Express Gen5の浸透と一般的なサーバーでの利用
- 一般的なコンピューティングでは、AIサーバーアプリケーションへの注力が主だが、ストレージ接続性のためにPCIeリタイマーが使用されている
- Gen5対応のNVMe SSDの登場によりエコシステムの準備が整いつつある
- IntelのGranite RapidsやAMDのTurinなどの次世代CPUプラットフォームの登場で、新しいプラットフォームの導入が促進される見込み
CXL 2の初期導入と今後の展開
- すべてのハイパースケーラーが何らかの形でCXLを評価し、取り組んでいる
- CXLの主な用途はCPUのメモリ拡張で、大規模データベースアプリケーションのメモリ容量増加やHPCアプリケーションのメモリ帯域幅増加が目的
- Granite RapidsとTurinの登場で、本格的な量産品質のCXLをサポートするCPUが利用可能になる
- Astera Labsは長期間にわたりチップを提供し、ハイパースケーラー顧客と各種評価やPOCを支援してきた
- 2025年にメモリ拡張用途のCXLから収益が見込まれる
PCI Express Gen6への移行とAstera Labsの優位性
- Gen5はまだ成長の余地が大きいが、AIの革新スピードの加速によりGen6への移行サイクルはGen5よりも短くなる可能性がある
- COSMOSソフトウェアにより、Gen5で培ったノウハウをGen6に活かすことができる
- PCI Expressは複雑で、相互運用性の確保には時間がかかるため、Astera Labsの経験が競合他社に対する優位性となる
アクティブ電気ケーブル(AEC)の機会
- PCIe AECにより、GPUクラスタリングのためにPCI Expressの適用範囲がサーバー内からラック間に拡大
- イーサネットAECと組み合わせることで、エボルビングトレンドに対応
- 今年後半からの収益貢献を見込む
- リーディングポジションにあると考えられる
AIアクセラレータの多様化とAstera Labsのビジネスチャンス
- NVIDIAのGPUに加え、AMD、アームを含む他社製AIアクセラレータの採用が進んでいる
- 多様化する顧客のAIシステムアーキテクチャーに対し、 Asteraのリタイマーソリューションの搭載機会が拡大
- 高まる接続性ニーズに応えるため、プラットフォームごとのAstera製品の搭載金額は増加傾向
バックエンドネットワークでのPCIeとイーサネットの利用
- NVIDIA以外はPCIeやイーサネットなどの標準技術に依存する可能性が高い
- PCIeは低レイテンシーという利点があるが、イーサネットも長年使われてきた実績がある
- 今後6〜18ヶ月の動向を注視する必要がある
- Astera Labsはチップ、ハードウェア、ソフトウェアを揃えているため、顧客のニーズに柔軟に対応可能
ASICベースのAIシステムにおけるAstera Labsのビジネスチャンス
- ハイパースケーラーがカスタムASICを開発するケースが増えている
- GPUベースのシステムとは要件が異なる部分もあるが、Astera Labsは両方のソリューションを提供可能
- 次世代プラットフォームに向けGPUベンダー、ASICベンダー双方と緊密に連携
CXLの適用範囲と市場投入のタイミング
- メモリ拡張、メモリ階層化、メモリプーリング、メモリドライブの4つの主要ユースケース
- メモリドライブはエンタープライズ向け、他の3つはクラウドスケールに適している
- メモリプーリングはソフトウェアの変更が必要なため、市場投入までに時間がかかる
- メモリ拡張とメモリ階層化が短中期的に有望
- 主要ハイパースケーラー全てがCXL技術に取り組んでいる
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