ロブロックス(ティッカー:$RBLX)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$0.43 | -$0.53 | 〇 |
売上高 | $923.76M (YoY +19.4%) | $929.1M | × |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $885M ($870M~$900M) | $938.57M | × |
ガイダンス 通年売上高 | $4.05B ($4.0B~$4.1B) | $4.23B | × |
業績ハイライト
2024年第1四半期決算の概要
- 日次アクティブユーザー数は7,700万人以上で、前年同期比17%増
- 13歳以上のユーザー層が特に強く、22%増加
- 主要ゲーム市場である日本では50%増、インドでは58%増と大幅な成長
- エンゲージ時間は167億時間で前年同期比15%増
- 売上高は8億100万ドルで前年同期比22%増、予想の7億5500万ドルから7億8000万ドルを上回る
- ブッキングスは9億2380万ドルで、予想の9億1000万ドルから9億4000万ドルの範囲内だが、前年同期比19.4%増
運用効率の改善
- GAAPベースの純損失は2億7200万ドルと前年同期とほぼ同水準だが、予想の3億4700万ドルから3億4200万ドルを大幅に下回る
- 第1四半期のキャッシュフローは2億3800万ドルで前年同期比37%増
- フリーキャッシュフローは1億9100万ドルで前年同期比133%増加し、2023年通期の1.5倍に
- インフラ、信頼と安全性における効率化により、コストを削減
- 人員面でも慎重に採用を行い、ヘッドカウントを一定に保つ
主要指標の回復
- 4月後半から5月前半にかけて、米国とカナダのブッキングス、DAU、エンゲージ時間の成長率が20%を超える水準に回復
- 第1四半期全体の数値にはまだ反映されていないが、改善の兆しが見られる
- 2024年のガイダンスは保守的に見直すが、フリーキャッシュフローの予想は変更せず
- 経済、広告、AI安全性、コンテンツ、ライブオペレーションの分野で慎重に採用を継続
質疑応答ハイライト
新コンテンツとライブオペレーションについて
- 第1四半期は、第4四半期と比べてコンテンツ配信がより分散化し、新コンテンツの市場シェアが拡大
- 第1四半期は第4四半期よりも、トップ20に入る新体験の速度が速かった
- イベントについては1〜2ヶ月に1回の頻度で実施予定
- 次のイベントは近日中に発表予定で、プラットフォームの強みである多様なコンテンツを活かしたものになる
主要指標の伸びとブッキングスの関係について
- 過去数四半期で、DAUとペイヤーあたりのブッキングスが上昇し、ブッキングスの伸びが1,000時間あたりの伸びを上回った
- これは健全なトレンドだが、数%程度の変動はある
- 新規ペイヤーの流入と既存ペイヤーの成熟化のバランスによって変動する
- 長期的には、1,000時間あたりのブッキングスとDAUの伸びは同期するのが目標
2024年のガイダンス修正について
- 第1四半期の伸びが期待を下回ったことを受け、2024年のブッキングス予想を4%下方修正
- ただし、4月後半からの回復基調を踏まえると、事業は引き続き高い成長ポテンシャルを持つと考えている
- 広告事業については、2025年のガイダンスを初めて提示する予定で、全体の成長率に大きく寄与するのは2026年以降になる見込み
- 営業レバレッジと設備投資の効率化により、EBITDAマージンとフリーキャッシュフロー予想は据え置き
第1四半期のエンゲージメント低下要因について
- 第4四半期に多くの新機能を導入したことによる、特にローエンドAndroidデバイスでのパフォーマンス低下が主因
- 参加時間、フレームレート、長時間プレイ時の安定性、友人検索の速度などが重要な成長ドライバー
- クリエイターツール、ユーザークライアント、コアエンジンなど、プラットフォーム全体でパフォーマンス改善に取り組んだ
- より細かいコホートと個々のユーザーを測定し、改善につなげた
- その結果、4月後半以降は米国とカナダで20%以上の成長に回復
ブランド体験のエンゲージメントと収益化について
- トップ200のような人気コンテンツは、ユーザーが何度も長期的に遊ぶのに対し、ブランド体験への期待はやや異なる
- ただし、インタラクティブな映画予告編などは、ビデオ予告編より深いエンゲージメントが期待できる
- ブランド体験は、友人と一緒にショッピングを楽しんだり、ブランドとのつながりを感じられる新しい形態
- 画像、印刷物、動画よりもエンゲージメントは高くなる見込み
- まだ初期段階のため、具体的な指標は開示しない
ウォルマートとのリアルワールドショッピング提携について
- 現時点では非常に初期段階だが、将来的にはRoblox上で友人と一緒に3Dショッピングを楽しむ新しい形態になると考えている
- 広告の成果測定や帰属分析に加え、実際の購買にもつながる可能性がある
- 2024年や2025年の収益モデルには織り込んでいないが、将来的な展望としては期待している
- 小売業界で高い質とスケール、ブランド力を持つウォルマートが最初のパートナーになったことを喜ばしく思う
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