ルーシッド(ティッカー:$LCID)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$0.30 | -$0.25 | × |
売上高 | $174.74M (YoY +16.9%) | $173.5M | 〇 |
業績ハイライト
生産・納車の実績は予想を上回る
- 2024年第1四半期は1,728台のLucid Airを生産し、1,967台を納車
- 生産台数は予想をわずかに上回る
- 前年同期比で納車台数39.9%増と好調
技術面での優位性が差別化要因
- Lucid Airは米国市場で最も航続距離が長く、最速の充電が可能な量産車
- 高い効率性により、他のEVより小さなバッテリーで済む
- バッテリーはEV製造において最もコストのかかる部分であり、Lucidの技術により製造コストを大幅に削減できる
サウジアラビアのパートナーとの関係が強み
- サウジアラビア政府系ファンドPIFが10億ドルの転換優先株式の引き受けを通じてLucidに出資
- PIFはサウジアラビアのビジョン2030の目標達成に向けた戦略的パートナー
- PIFとの関係は単なる資金提供にとどまらず、お互いに成功へのインセンティブを共有
今後の製品ロードマップ
- 2024年後半にSUVのGravityの生産開始予定
- GravityによりLucidがアクセス可能な市場が6倍に拡大
- 2026年後半には中型車の生産開始を予定。主力の大衆市場向け車種となる見込み
質疑応答ハイライト
販売モメンタムの構築について
- 2023年第1四半期の納車台数は前年同期比39.9%増の1,967台
- 2023年通年の販売台数は2022年比37%増
- 市場全体でEVの販売が低迷する中、Lucidは好調を維持
- 主要な競合他社に対しシェアを拡大
コスト最適化の取り組みについて
- 第1四半期は部品コストや物流コストの削減により売上総利益率が改善
- サプライヤーとの交渉、内製化の推進、在庫管理の徹底などにより、さらなるコスト削減の機会を特定
- スケールメリットによるコスト低減効果も見込む
SUVのGravityの生産準備状況について
- 製品開発、工場の準備、サプライチェーンの3つの観点で進捗を厳しく管理
- パンデミックの影響を受けず、計画通りに進行中
- サプライヤー品質監査のためのチームを派遣し、生産開始に向けた準備を確認中
中型車投入後の損益分岐点到達の見通しについて
- 2026年後半の中型車投入後、Tesla Model 3のように販売が拡大し、自己資金調達が可能な水準に到達すると予想
- 中型車の投入までに十分な資金を確保できるかどうかは現時点では未定だが、戦略的に資金調達の機会を検討していく
サウジアラビア向け販売台数について
- 第1四半期のサウジアラビア向け販売台数は500台超
- SUVのGravityはサウジアラビア市場でも高い需要が見込まれる
- 現時点では、各市場の販売台数の内訳予想は開示していない
垂直統合の進展がコストに与える影響について
- 短期的には減価償却費の増加などにより固定費が嵩むため、損失が拡大する可能性がある
- ただし中長期的にはスケールメリットにより、可変費・固定費両面でコスト改善効果が見込まれる
- 技術的優位性を活かし、競合よりも高い限界利益率を実現できる見通し
サードパーティ向けのハードウェア・ソフトウェア販売について
- 伝統的な大手自動車メーカーとの取引には時間を要する面があるが、Lucidのコスト優位性への評価は高まっていると認識
- 大手自動車メーカーはEV製造コスト低減へのプレッシャーが高まっており、Lucidの技術に対する関心は非常に強い
- 引き続き大手メーカーとの協業を模索していく
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