アメリカン航空(ティッカー:$AAL)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$0.34 | -$0.29 | × |
売上高 | $12.6B (YoY +3.3%) | $12.4B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2EPS | $1.30 ($1.15~$1.45) | $1.18 | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $2.75 ($2.25~$3.25) | $2.32 | 〇 |
業績ハイライト
全体業績
- 調整後の純損失は2億2,600万ドル、希薄化後1株当たり損失は0.34ドル。
- 当初のガイダンスレンジ内だが、燃料費の大幅な増加が影響した。
- 第1四半期の収入は過去最高の126億ドル。ビジネス需要は引き続き回復し、特に中小企業が堅調。
プレミアムコンテンツ収入
- プレミアムコンテンツ収入(アップセル、ロイヤルティ、パートナーシップ収入)が全体の61%を占め、前年比17%増加。
- アドバンテージ会員がプレミアムコンテンツ収入の72%を占める。
キャパシティとユニットコスト
- 第1四半期のキャパシティは前年比8.5%増。
- コスト削減とビジネスプロセスの再設計により、燃料を除く単位コストは前年比2.3%増に抑制。
運航実績
- 第1四半期のオペレーションは過去最高の完遂率を達成。
- 8日間欠航ゼロを記録し、手荷物の取り扱いミス率も前年比10%改善。
通期ガイダンス
- 通期のEPS(希薄化後1株当たり利益)ガイダンスは2.25ドル〜3.25ドルを維持。
- フリーキャッシュフローは約20億ドルを見込む。
債務削減の進捗
- 第1四半期は営業キャッシュフロー22億ドル、フリーキャッシュフロー14億ドルを創出し、総債務を9億5,000万ドル削減。
- ピーク時から123億ドルの債務を圧縮し、年内に目標の150億ドル削減の85%以上を達成する見通し。
質疑応答ハイライト
ラテンアメリカ市場について
- ラテンアメリカの短距離路線は第2四半期にダブルディジットの収入単価の下落を見込んでいるが、長距離は好調。
- GOLの破綻はアメリカン航空のラテンアメリカ事業に影響を与えない。強力なネットワークと顧客プログラムを持っている。
地域航空会社の再構築
- 地域航空会社の機材を各四半期で20-25機ずつ増やし、年末までに535機体制にする計画。
- これにより収入単価の向上と単位コストへの若干の圧迫が予想されるが、通期のコストガイダンス内に収まる見込み。
- ダラスとシャーロットのハブ空港のコネクティビティを高め、収益性を向上させる。
企業需要の回復
- 管理の行き届いた企業需要は14-15%伸長。アメリカン航空は個人予約にシフトしつつあるので伸び率はやや低い。
- 管理が行き届いていない中小企業の需要が大きく伸びており、個人予約へのシフトはプラスに働いている。
- 企業需要は沿岸部でより回復しているが、アメリカン航空はハートランドと太陽の当たる地域に強みを持つ。
夏の予約動向
- 6月の国内線予約率は35-40%で平年並み。長距離国際線は50-60%と高い予約率。
- 夏の予約は前年を上回るペースで推移。ネットワークのポジショニングと全体的な需要動向が寄与。
- 旺盛な需要を見込んでおり、適切にイールドマネジメントを行う。国内線・国際線ともに市場環境は良好。
ボーイングの問題
- ボーイングには組み立てラインの品質と安全性向上に注力するよう働きかけている。
- MAX10の発注は2028年引き渡し。ボーイングが対応できなければ、アメリカン航空は保護される。
- 現在運航中のボーイング機は長年の実績があり、顧客から不安の声は聞かれない。
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