以下は2024/6/7 FACTSETの記事の要約です。
要約
市場の景気後退懸念と実際の言及数
- 市場では景気減速やリセッションの可能性への懸念がある中、第1四半期の決算説明会で例年以上にリセッションに言及した企業数を調査
- FactSetのドキュメント検索機能を用いて、3月15日から6月6日までに決算説明会を開催したS&P500企業のコール記録に「リセッション」という単語が含まれているか検索
- 第1四半期に「リセッション」という単語に言及したのは29社で、5年平均の83社、10年平均の60社を大きく下回った
直近の「リセッション」への言及動向
- 四半期ベースでは2021年第4四半期(15社)以来の低水準
- 2022年第2四半期にピークを付けた後、7四半期連続で前期比減少
- セクター別では金融(11社)と資本財(7社)で言及した企業数が最も多かった
- 13社が決算説明会で「ソフトランディング」という言葉に言及したことも興味深い
主要指標
- S&P500企業の79%がEPSで予想を上回り、61%が売上高で予想を上回った
- EPSサプライズ率は+7.4%で10年平均の+6.7%を上回った
- 売上高サプライズ率は+0.8%で10年平均の+1.4%を下回った
- S&P500の第1四半期のEPS成長率(前年同期比)は5.9%。2022年第1四半期以来の高い伸び
- 売上高成長率は4.2%で14四半期連続のプラス成長
- 第1四半期の純利益率は11.8%で前年同期の11.6%から上昇
- 第2四半期のEPSガイダンスは67社がネガティブ、44社がポジティブ
- ネガティブEPSガイダンスの比率は60%で5年平均(59%)を上回る
- S&P500の12ヶ月先予想PERは20.7倍。5年平均(19.2倍)と10年平均(17.8倍)を上回る
セクター別動向
- コミュニケーション・サービスはEPS成長率+33.8%、売上高成長率+8.2%でともに11セクター中トップ
- ユーティリティはEPS成長率+31.5%で2番目に高い。純利益率は14.7%まで大幅改善
- IT、コンシューマー・ディスクレショナリーもEPS成長率は+25%台
- ヘルスケアのEPS成長率は-25.4%と低迷。純利益率は6.5%まで低下
- エネルギー、素材セクターもEPSは前年同期比マイナス
- IT、コミュニケーション・サービスの売上高成長率は+8.2%で最も高い
- ユーティリティの売上高成長率は-7.8%で最も低い
- 8セクターで純利益率が前年同期比で上昇。ユーティリティ、IT、コミュニケーション・サービスが大きく改善
市場予想
- アナリストはS&P500の目標株価を現在から10.2%上昇の5,900ドルと予想
- エネルギーセクターの目標株価の上昇率が18.2%と最も高い。公益、生活必需品は7%未満
- S&P500銘柄の54.8%に買い推奨。コミュニケーション・サービス(63%)、エネルギー(62%)、IT(60%)の買い推奨比率が高い
- 生活必需品(45%)、素材(46%)の買い推奨比率が低い
原文リンク

Fewer S&P 500 Companies Discussing “Recession” on Earnings Calls for 7th Straight Quarter
Given concerns in the market about a possible economic slowdown or recession, did more S&P 500 companies than normal com...
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