以下は2024/5/31 FACTSETの記事の要約です。
要約
主要指標
- S&P 500企業の78%がEPSサプライズをプラスで、61%が売上高サプライズをプラスで報告
- S&P 500の2024年第1四半期のブレンド済み(前年同期比)利益成長率は5.9%で、2022年第1四半期(9.4%)以来の高い成長率
- 2024年3月31日時点では、S&P 500の2024年第1四半期の利益成長率見通しは3.4%だったが、10セクターでEPSサプライズがプラスとなり上方修正
- 2024年第2四半期は、S&P 500企業の64社がEPSガイダンスをマイナスで、42社がプラスで発表
- S&P 500のフォワードP/E レシオは20.3で、5年平均(19.2)と10年平均(17.8)を上回る
2024年第1四半期決算の詳細
- S&P 500企業の78%がEPSサプライズをプラスで報告し、5年平均(77%)と10年平均(74%)を上回る
- 情報技術(89%)、ヘルスケア(88%)、生活必需品(85%)セクターでプラスサプライズの割合が高い
- 実績EPSは予想を7.4%上回り、10年平均(6.7%)を上回るがここ5年平均(8.5%)は下回る
- コミュニケーション・サービス(+12.5%)、一般消費財・サービス(+10.9%)、公益事業(+8.9%)、ヘルスケア(+8.9%)、生活必需品(+8.5%)セクターでEPSサプライズ率が高い
- 売上高は61%の企業がプラスサプライズで、5年平均(69%)と10年平均(64%)を下回る
- 実績売上高は予想を0.8%上回ったが、5年平均(2.0%)と10年平均(1.4%)を下回る
- 金融(+3.7%)セクターがプラスサプライズ率が最大、公益事業(-5.3%)セクターがマイナス率最大
セクター別の利益成長率
- コミュニケーション・サービスセクターが前年同期比33.9%増で最大
- アルファベットとメタ・プラットフォームズが牽引。この2社を除くと同セクターの成長率は1.8%に低下
- 公益事業セクターが同31.5%増で2番目
- 電力会社の貢献が大きく、このセグメントを除くと成長率は4.9%に低下
- 情報技術セクターが同25.2%増で3番目
- エヌビディアの貢献が大きく、同社を除くと成長率は11.2%に低下。エヌビディアはS&P 500全体の利益成長への最大の貢献企業で、同社を除くとS&P 500全体の成長率は3.3%に低下
- 一般消費財・サービスセクターが同24.9%増で4番目
- アマゾン・ドット・コムの貢献が大きく、同社を除くと成長率は2.8%に低下
- ヘルスケアセクターが前年同期比25.4%減で2番目の減益
- ブリストル・マイヤーズ スクイブが最大の減益要因で、同社を除くと減益率は6.9%に縮小。同社はS&P 500全体の利益成長への最大のマイナス要因で、同社を除くとS&P 500全体の成長率は8.9%に上昇
主要セクターの売上高成長率
- コミュニケーション・サービスセクターが前年同期比8.2%増で最大
- 情報技術セクターが同8.1%増で2番目
- 公益事業セクターが同7.8%減で最大の減収
2024年第2四半期のEPS見通し、3月31日以降アナリストが上方修正
- 景気減速懸念があるが、アナリストは4月と5月にかけて第2四半期のEPS予想を全体として引き上げた
- 3月31日から5月30日にかけてボトムアップEPS予想は59.22ドルから59.43ドルに0.3%上昇
- 過去5年(20四半期)の平均では四半期開始後2ヵ月間のボトムアップEPS予想は2.8%の低下
- 第2四半期は2021年第3四半期以来、四半期開始後2ヵ月間のボトムアップEPS予想が上昇したのは2度目
- セクター別では、エネルギー(+6.2%)などが上昇、産業(-4.3%)などが低下
- ただし5月中はEPS予想を引き下げており、6月にさらに下方修正される可能性
原文リンク
Analysts Have Increased EPS Estimates for S&P 500 Companies for Q2 2024 Since March 31 (factset.com)
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