以下はFACTSET EARNINGS INSIGHTのS&P 500 EARNINGS SEASON UPDATE: FEBRUARY 2, 2024の要約です。
要約
- EPSのサプライズ率とサプライズ幅は平均以下:S&P 500の企業の72%がEPSのコンセンサスを上回りましたが、これは5年平均の77%や10年平均の74%よりも低い水準です。また、EPSのサプライズ幅も2.6%と、5年平均の8.5%や10年平均の6.7%よりも小さくなっています。
- 金融セクターが業績の下押し要因:EPSのサプライズ率とサプライズ幅の低さは、決算シーズンの初めに結果を発表した金融セクターの企業の多さによるものです。金融セクターは、EPSのコンセンサスを下回った企業が多く、また、EPSのサプライズ幅も-3.9%と大きくマイナスになっています。
- 過去2週間で業績が改善:1月19日以降に決算を発表したS&P 500の企業は、EPSのコンセンサスを上回った割合が75%に上昇し、EPSのサプライズ幅も7.3%に拡大しました。その結果、S&P 500の第4四半期のEPS成長率は、前週の-1.4%から1.6%に改善しました。これは、第4四半期末(12月31日)の1.5%をも上回っています。
- EPS成長率は2四半期連続でプラス:S&P 500の第4四半期のEPS成長率が1.6%となれば、2四半期連続でEPSが前年同期比で増加したことになります。EPS成長率は、コミュニケーションサービス、消費財、公益事業、情報技術の4セクターが牽引しています。一方、エネルギー、素材、ヘルスケア、金融の4セクターはEPSが前年同期比で減少しています。
- 売上高のサプライズ率とサプライズ幅も平均以下:S&P 500の企業の65%が売上高のコンセンサスを上回りましたが、これは5年平均の68%よりも低く、10年平均の64%と同水準です。また、売上高のサプライズ幅も1.0%と、5年平均の2.0%や10年平均の1.3%よりも小さくなっています。
- 売上高成長率は13四半期連続でプラス:S&P 500の第4四半期の売上高成長率は3.5%となっており、前週の3.2%や第4四半期末(12月31日)の3.1%を上回っています。これは、ヘルスケアや消費財のセクターが売上高のサプライズを出したことによるものです。売上高成長率が3.5%となれば、S&P 500は13四半期連続で売上高が前年同期比で増加したことになります。売上高成長率は、コミュニケーションサービス、情報技術、金融の3セクターが牽引しています。一方、エネルギーと素材の2セクターは売上高が前年同期比で減少しています。
- 2024年のEPS成長率は11.2%を見込む:アナリストは、2024年第1四半期のEPS成長率を4.5%、第2四半期のEPS成長率を9.4%と予想しています。2024年通年のEPS成長率は11.2%と見込まれています。
- 12カ月先のPERは20.0倍:S&P 500の12カ月先のPERは20.0倍となっており、5年平均の18.9倍や10年平均の17.6倍よりも高い水準です。また、第4四半期末(12月31日)の19.5倍をも上回っています。
原文リンク
S&P 500 Earnings Season Update: February 2, 2024 (factset.com)
コメント