2024年1月31日、米連邦準備制度理事会(FRB)議長ジェローム・パウエルは記者会見を行い、経済状況と金融政策に関して発言しました。以下はその要約です。
要約
経済と雇用の現状
- 経済活動は堅調に拡大しており、GDP成長率は前年四半期に3.3%を記録。2023年全体で見ると、消費者需要の強さと供給状況の改善を背景に3.1%の成長がありました。
- 労働市場は引き続きタイト(供給不足)であるものの、供給と需要のバランスが改善しています。失業率は3.7%と低水準を維持しています。
インフレーション
- インフレ率はピーク時から低下していますが、依然として高い水準にあります。パウエル議長は、インフレを2%の目標に戻すことがFRBの最優先事項であると述べました。
- 過去6ヶ月のインフレデータは良好であり、インフレが2%目標に向かって持続的に低下していくことに対する信頼が高まっていますが、完全な自信を得るにはさらにデータが必要です。
金融政策
- FRBは政策金利を変更せず、証券保有の削減を続けることを決定しました。これまでの厳格な金融政策により、経済活動とインフレに影響が出始めています。
- パウエル議長は、経済が予想通りに進展すれば、今年中に政策の引き締めを緩和し始めるのが適切である可能性が高いと述べました。しかし、インフレへの進展が保証されたわけではなく、不確実性が残るため、慎重に進む必要があります。
その他のポイント
- パウエル議長は、労働市場の改善や供給状況の正常化がインフレ低下に寄与していると指摘しました。
- FRBはデータに基づいて政策決定を行い、インフレが2%の目標に持続的に近づいていることに対する「より大きな確信」を得るまで金利を引き上げることは予想していません。
原文リンク
https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20240131.pdf
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