2024年3月19日と3月20日に開催された、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の要約です。
要約
経済状況
- 金融市場: 米国の金融コンディションは1月のFOMC会議以降、わずかに緩和された。名目上のトレジャリーイールド(米国債利回り)は、インフレ補償の上昇と実質金利の上昇により、短期的にも長期的にも上昇した。
- 政策金利: 期待される連邦資金金利のパスは、将来の政策金利のカットが以前に予想されたよりも遅く開始されることを反映し、大幅に上昇した。これにより、投資家はより少ない金利低下を見込むようになった。
- グローバル市場: 日本銀行がマイナス金利政策とイールドカーブコントロール政策を終了すると発表したが、これは市場参加者によって広く予想されており、限定的な影響しかなかった。
政策決定
- バランスシートの縮小: 連邦準備制度はバランスシートの縮小を続けており、約1.5兆ドルの縮小が行われた。しかし、参加者はバランスシートの縮小ペースを近い将来遅らせるべきだと広く合意した。
- 経済と金融の状況: 強力な労働市場と経済活動のデータが報告され、インフレ減速が以前に予想されたよりも遅れているとの見方が示された。これにより、政策金利の期待パスは上昇した。
- 金融政策の方針: 連邦準備委員会(FOMC)は、連邦資金金利の目標範囲を5.25%~5.5%に維持し、資産購入の縮小を続けることを決定した。
展望とリスク
- インフレと経済成長の見通し: インフレは目標に向かって徐々に減少すると予想されるが、経済成長は昨年の強いペースから減速すると見込まれる。労働市場は引き続き強く、賃金圧力が緩和されることが予想される。
- リスクのバランス: インフレの不確実性と地政学的リスク、金融市場の状況などが主なリスクとして挙げられた。また、インフレが2%に向かって持続的に動くことへの信頼が増すまで、政策金利を引き下げることは適切ではないとされた。
今後の方針
- 金融政策の調整: FOMC参加者は、経済データとインフレ動向を慎重に評価し、必要に応じて金融政策を調整する準備があると述べた。ほとんどの参加者は、今年中に政策を緩和する方向に移行することが適切であると見ているが、これはインフレが2%の目標に向かって持続的に移動することへの信頼が高まった場合に限られる。
- リスク管理の考慮: FOMC参加者は、リスク管理の観点から、政策の適切な調整を検討し続けることが重要であるとの見解を示した。政策が過度に制約的であることのリスクと、緩和が早すぎることのリスクの間でバランスを取る必要がある。
原文リンク
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcminutes20240320.pdf
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