エクソンモービル(ティッカー:$XOM)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.67 | $1.55 | 〇 |
売上高 | $83.43B (YoY -1.1%) | $87.21B | × |
業績ハイライト
2024年の全体業績
- 2024年の純利益は340億ドルで、市場環境が軟調な中で過去10年で3番目の高水準
- 過去5年間の特別項目を除く利益の年平均成長率は約30%
- 営業キャッシュフローは過去10年で3番目となる[5]億ドル
- 投下資本利益率(ROCE)は13%、5年平均では業界トップの11%
- 建設中のプロジェクトを除くと、2024年のROCEは約17%、5年平均は約15%
上流部門の実績
- 優良資産からの生産量が過去最高を達成
- 液体生産量は40年以上で最高水準
- パーミアン盆地では、既存のExxonMobil資産とPioneer資産の両方で記録的な生産を達成
- Pioneerとの統合により年間30億ドル超のシナジー効果を見込む
- パーミアン生産量は2024年末の150万バレル/日から2030年には230万バレル/日へ50%以上増加見込み
製品ソリューション部門
- 2024年に高付加価値製品の記録的な販売を達成
- より収益性の高い製品ミックスへのシフトが進行中
- 2030年までに約1,000億ドルの市場規模が見込まれるプロキシマル樹脂システムとカーボン材料の開発を推進
低炭素ソリューション事業
- CO2の輸送・貯留で年間670万トンの契約を締結し、業界最大規模
- データセンター向け低炭素電力需要への対応体制を整備
- 水素・リチウム分野で新たな資本提携とオフテイク契約を締結
質疑応答ハイライト
ガイアナ開発状況
- Yellowtailプロジェクトは2025年第3四半期の開始予定で、計画を上回るペースで進捗
- 現在の約10の貯留層から2030年までに約40の貯留層へ拡大予定
LNG事業戦略
- 長期的にLNG需要は健全に推移すると予測
- 新規プロジェクトは長期販売契約で下支え
- 一部の生産量はトレーディング事業向けに非契約として確保
資本支出計画
- 2025年の設備投資は270-290億ドル
- 2026-2030年は280-330億ドルを計画
- 既存事業の設備投資は概ね横ばいで、新規事業向けが増加要因
低炭素事業の展望
- CCS(炭素回収・貯留)事業は今後24ヶ月で4つの大型プロジェクトを開始予定
- 低炭素ソリューション事業全体で2030年までに20億ドルの収益成長を見込む
- データセンター向け低炭素電力は2028年までの稼働開始を目指す
2025年の主要プロジェクト
- 中国化学コンプレックスは第1四半期に稼働開始予定
- シンガポール残渣油アップグレード設備は第2四半期末の稼働を目指す
- Yellowtailは第3四半期、Golden Passは2025年末にLNG生産開始予定
- これらのプロジェクトにより2026年に30億ドル超の増益効果を見込む
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