ボーイング(ティッカー:$BA)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$10.44 | -$8.82 | × |
売上高 | $17.84B (YoY -1.5%) | $17.94B | × |
業績ハイライト
全社業績
- 売上高は178億ドル(前年同期比1%減)
- 主に商用機の広胴機納入減少とIAMストライキの影響による
- コア1株当たり損失は10.44ドル
- フリーキャッシュフローは20億ドルのマイナス
- 業績には労働組合(IAM)ストライキと商用・防衛プログラムの損失計上が影響
商用機部門(BCA)
- 第3四半期の納入機数は116機
- 売上高は74億ドル
- 営業利益率は-54%
- 777XプログラムとKC-46タンカープログラムで30億ドルの損失計上
- 受注残高は4,280億ドル(5,400機超)
防衛・宇宙部門(BDS)
- 第3四半期の受注は80億ドル
- 売上高は55億ドル(前年同期比横ばい)
- 航空機納入は34機
- T-7A、KC-46A、商業クルー、MQ-25プログラムで20億ドルの損失計上
- 営業利益率は-43.1%
グローバルサービス部門(BGS)
- 受注は60億ドル
- 売上高は49億ドル(前年同期比2%増)
- 営業利益率は17%(前年同期比0.7ポイント改善)
- 商業部門の増収が貢献
質疑応答ハイライト
ポートフォリオ戦略について
- 新CEOのKelly Ortbergは「少ないことをより良くする」方針を表明
- 商用機と防衛システムは引き続き中核事業として保持
- 年末までに社内で方向性を決定する意向
- 一部事業は迅速に対応可能だが、時間を要する案件もある
- 767フレイター事業からの撤退を決定済み
バランスシート強化策について
- 投資適格級の維持が最優先課題
- 格付機関と建設的な対話を継続中
- 資本調達の規模は以下3点を考慮
- 現金100億ドルの維持
- 短期的なキャッシュフロー見通し
- 今後の債務返済への対応
- 株式や株式連動証券の発行を検討中
防衛事業の課題と対策
- 困難な契約条件への対応が必要
- リスク管理とEAC(完成時総原価見積)プロセスの改善が急務
- 顧客との緊密な連携によるリスク低減が重要
- 新規契約での入札・提案活動における規律強化を実施
- プログラム管理の改善と現場との密接な連携を強化
生産回復計画について
- ストライキ終了後、従業員の再配置に2週間程度要する
- 再認証・再トレーニングが必要
- サプライチェーンの再起動にも時間を要する見込み
- 737MAXの月産38機への回復が当面の目標
- FAAとの協力のもと、品質・安全性を重視した段階的な生産率引き上げを計画
2025年の見通しについて
- 2025年通期でもフリーキャッシュフローはマイナスの見込み
- 2024年比では大幅な改善を予想
- 上期はマイナス、下期にプラスに転じる見通し
- 777X開発投資のピークが2026年の量産開始前に到来
- 年末にかけて生産の正常化と業績の改善モメンタムを期待
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