アルタ・ビューティー(ティッカー:$ULTA)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $6.47 | $6.28 | 〇 |
売上高 | $2.70B (YoY +3.8%) | $2.73B | × |
ガイダンス 2024通年EPS | $25.6 ($25.2~$26.0) | $26.38 | × |
ガイダンス 2024通年売上高 | $11.55B ($11.5B~$11.6B) | $11.71B | × |
業績ハイライト
第1四半期の業績
- 売上高は前年同期比3.5%増の27億ドル
- 既存店売上高は1.6%増加
- 営業利益率は14.7%
- 希薄化後EPS6.47ドル
通期見通しの修正
- 売上高見通しを115億ドル〜116億ドルに引き下げ
- 既存店売上高は2%〜3%の伸びを予想
- 営業利益率は13.7%〜14%を予想
市場シェアの動向
- トータルの米国ビューティ商品市場でシェアを維持
- プレステージビューティ、特にメイクアップとヘアケアでシェア低下
強みと今後の取り組み
- 消費者認知度とブランド好感度の向上
- 新ブランドのローンチが好調
- ストアとデジタルの両チャネルで客数増加
- ロイヤリティプログラムが拡大、最も価値の高い会員の維持率は高水準
- 新規出店が好調
- 人材の定着率が改善
- 品揃え強化、ソーシャルでの存在感拡大、デジタル体験の向上、ロイヤリティの活用、プロモーション施策の進化などの取り組みを推進
質疑応答ハイライト
2024年通期ガイダンスの修正について
- 第1四半期の環境の変化が年間を通して継続すると予想し、通期見通しを引き下げた
- 第2四半期の既存店売上高は第1四半期と同様の傾向になると予想
- 売上高の伸びは営業レバレッジに大きな影響。長期的なアルゴリズムを下回るコンプでは、14-15%のマージンは難しい
プレステージビューティの競争環境について
- この1-2年で1000以上の新規流通拠点が出現し、前例のない競争の激化
- アルタはトータルビューティ市場でシェアを維持。マス市場ではシェア拡大、プレステージEコマースでもシェア拡大
- ブランド認知の向上、ブランド好感度の上昇、ロイヤルメンバーの増加と維持、客数の増加など強みもある
- 品揃えの強化、ソーシャルでの存在感拡大、デジタル体験の向上、ロイヤリティの活用、プロモーション施策の進化などの取り組みを進める
マーチャンダイジングマージンについて
- 2023年は2019年比で約200ベーシスポイント上昇。商品構成改善、カテゴリーミックス、プロモーション効率化などが寄与
- 第1四半期はプロモーション増、ブランドミックス、昨年の価格改定の反動などでマージン低下
- 通期でも売上減、プロモーション増、カテゴリーミックスなどでマージン低下を予想
マーケティング投資の強化について
- ブランド認知、ブランド好感度の向上を受け、今後も戦略的に投資
- ソーシャルメディアでの取り組み強化。ブランドとも連携
- 大型プロモーション企画の強化と、ロイヤリティ情報を活用したターゲティングプロモーションの効率化を両立
メイクアップカテゴリーの見通しとEコマースでの競争について
- 最大カテゴリーであり、引き続き注力
- プレステージは苦戦も、シャーロット・ティルベリーやラグジュアリーの拡大、WYNなど新ブランドが貢献
- マスは好調ブランドに加え、モーフィ等の独占や、ジュビアズ、アバウトフェイス等の成長
- アルタのEコマースはプレステージで第1四半期もシェア拡大。オムニの顧客は購入額2.5倍に
- 品揃え拡充、インフルエンサー活用などを進める
在庫の状況について
- 在庫の75%は新ブランドと新店舗用
- 大半はコア商品の在庫で、季節性リスクは少ない
- 在庫投資で将来需要の取り込みも狙う
プロモーション環境について
- 年初の想定通り、競争環境を受けてプロモーションは拡大も合理的な水準
- 年間では2019年を下回る見通し。CRM、プロモーション効率化が寄与
- 一部ブランドに特化した動きは見られない。業界全体の傾向
ブランドポートフォリオについて
- 主要カテゴリー、価格帯の主要ブランドをカバーする強力なポートフォリオ
- MACやクリニーク等の確立ブランドから、カイリーのコスミック、セリーナのWYN等の新ブランド、有力な新興ブランドまで網羅
- 競合環境の中でもブランドとの関係性は強固。多くのブランドがアルタで成長を実現
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