The Trade Desk(ティッカー:$TTD)の2023年第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.41 | $0.43 | × |
売上高 | $606M (YoY +23.4%) | $582M | 〇 |
ガイダンス 2024Q1売上高 | $478M | $451M | 〇 |
業績ハイライト
2023年第4四半期の業績
- 2023年第4四半期の収益は6億600万ドル、前年同期比23%増
- 2023年通年の収益は約19億ドル、前年比23%増
- 2023年第4四半期の調整後EBITDAは2億8,400万ドル、利益率は47%
- 2023年通年の調整後EBITDAは7億7,000万ドル、利益率は約40%
- 2023年通年のフリーキャッシュフローは5億4,000万ドル超
The Trade Deskの強み
- CTV(コネクテッドTV)が引き続き最も急速に成長している規模の大きな事業
- 小売メディアが最も急成長している事業の1つに
- 米国外の事業が米国内の事業よりも急速に成長
- UID2とEUIDの採用が広告主、パブリッシャー、その他のサービス事業者の間で加速
- 最新プラットフォームのKokaiを提供開始
2024年の見通し
- 主要分野であるCTVと小売メディアでの継続的な成長を見込む
- 米国外の事業の成長加速を期待
- 米国大統領選挙サイクルに向けて政治広告での市場シェア拡大を見込む
- Kokaiによる顧客へのより大きな価値提供を予定
- 2024年第1四半期の収益が前年同期比で少なくとも25%増加すると予想
質疑応答ハイライト
デジタル広告市場におけるThe Trade Deskの立ち位置と成長見通し
- The Trade Deskは、客観性を重視し、バイサイドに特化したビジネスモデルにより、市場シェアを拡大し続けている
- CTV、オーディオ、小売メディアなど、認証されたユーザーベースを持つ分野で強みを発揮
- UID2の普及により、オープンインターネット上での新しいアイデンティティとオーセンティケーションの仕組みを構築中
- 最新プラットフォームのKokaiにより、あらゆるチャネルでの広告インプレッションの関連性を理解・評価する新しい方法を提供
- 米国大統領選挙による政治広告支出の増加が見込まれる2024年は、さらなる成長が期待される
クッキー廃止の影響について
- The Trade Deskのプラットフォームで最も価値のある広告インプレッションの大部分は、サードパーティクッキーに依存していない
- CTV、オーディオ、小売データなど、クッキーに依存しない分野が広告の成長を牽引
- 認証、新しいアイデンティティへのアプローチ、ファーストパーティデータの活用、高度なAIによる関連性ツールを組み合わせることで、ポストクッキー時代に対応
- パブリッシャー側では、認証率の低いところでCPMの低下が予想されるが、UID2の採用でCPMが上昇する可能性も
- The Trade Deskにとっては、クッキー廃止による影響は限定的で、むしろ広告主へのさらなる価値提供の機会になると見込んでいる
Google Privacy Sandboxについての見解
- GoogleはPrivacy Sandboxにおいて、より良いものを構築する機会を逃したと考えている
- Privacy Sandboxは非常に複雑で、機能性が低下しており、魅力的な提案とは言えない
- The Trade Deskは批判的な立場を取りつつも、Privacy Sandboxのテストは実施していく方針
- クッキー廃止とPrivacy Sandboxによる変化は、オープンインターネットにとってマイナスだが、The Trade Deskにとっては追い風になる可能性が高い
- UID2の採用拡大やオープンインターネットの認証基盤の強化につながることを期待
Amazon の広告付き動画ストリーミングサービスの CTV 市場への影響
- Amazonの参入により、CTV市場全体の在庫量が増加し、バイヤー優位の市場になると予想
- コンテンツ所有者間の競争が激化し、関連性の高い広告を提供するためにプログラマティック広告の活用が進む
- UID2を採用し、オークションによる広告枠の販売を行うことで、ストリーミングサービス側もメリットを享受できる
- The Trade Deskは、Fortune500企業をはじめとする大手広告主を顧客に持つため、プレミアムな広告在庫へのアクセスが可能
- 全体としてCTV市場の成熟につながり、The Trade Deskにとってはメリットが大きいと見込んでいる
Kokaiプラットフォームが顧客にもたらす価値
- Kokaiではレポーティングの合理化と高速化を実現、ロバストなレポートの生成時間を大幅に短縮
- プラットフォーム全体、特に需要予測においてAIを活用。キャンペーンの変更による効果をシミュレーションし、ミスを防止
- データと意思決定を緊密に連携させ、アトリビューションの手法とレポーティングを改善
- 機能性を向上させつつ、複雑さを増大させないユーザーインターフェースを実現
- 4大陸でのプロダクト発表会で非常に高い評価を獲得、導入への強い意欲を確認
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