台湾セミコンダクター(ティッカー:$TSM)の2025年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $2.47 | $2.33 | 〇 |
| 売上高 | $30.07B (YoY +44.4%) | $31.3B | × |
| ガイダンス 2025Q3売上高 | $32.4B ($31.8B~$33.0B) | $31.8B | 〇 |
📊 業績ハイライト
売上・利益・マージン
| 指標 | 数値(NTドル) | 前期比 | 前年比 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | TWD 30.1兆(USD 90億) | +17.8%(USD換算) | – | ガイダンスを上回る。主に3nm・5nmプロセスが牽引。 |
| 営業利益率(Operating Margin) | 49.6% | +1.1pt | – | 運営効率改善によるレバレッジ効果。 |
| 粗利益率(Gross Margin) | 58.6% | -0.2pt | – | 為替と海外ファブの影響でやや減少。 |
| EPS | TWD 15.36 | – | +60.7% | 高水準の成長。 |
| ROE | 34.8% | – | – | 優れた資本効率性を維持。 |
🔻 為替影響により粗利益率が220bpsの下押し要因に(実際の為替 $1=NT$31.05、想定は$1=NT$32.88)。
技術別売上構成
| テクノロジー | 売上構成比(2025年Q2) |
|---|---|
| 3ナノメートル(N3) | 24% |
| 5ナノメートル(N5) | 36% |
| 7ナノメートル(N7) | 14% |
| 先端プロセス計(N7以下) | 74% |
✅ 先端プロセスが売上の大半を占める構成。特に3nmが牽引役に浮上。
プラットフォーム別売上構成
| プラットフォーム | 売上構成比 | 前期比 |
|---|---|---|
| HPC | 60% | +14% |
| スマートフォン | 27% | +7% |
| IoT | 5% | +14% |
| 自動車 | 5% | ±0% |
| DCE(デジタル家電) | 1% | +30% |
✅ HPC・スマホが堅調。IoT・DCEも二桁成長。
財務状況とキャッシュフロー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現金・有価証券残高 | TWD 2.6兆(USD 900億) |
| キャッシュフロー(営業CF) | TWD 4,970億 |
| CapEx(設備投資) | TWD 2,970億(USD 96億) |
| 在庫日数 | 76日(前期比 -7日) |
| 売掛金回転日数 | 23日(前期比 -5日) |
| 配当金支払い | TWD 1,170億(2024年第3四半期分) |
ガイダンス(2025年第3四半期)
| 指標 | 見通し | 前期比 | 前年比(中央値) |
|---|---|---|---|
| 売上高(USD換算) | USD 31.8~33.0億 | +8% | +38% |
| 為替レート想定 | $1 = NT$29 | – | – |
| 粗利益率 | 55.5% ~ 57.5% | -2.1pt(中央値) | – |
| 営業利益率(Operating Margin) | 45.5% ~ 47.5% | – | – |
🔻 為替(NT高)と海外ファブの立ち上げが粗利益率を圧迫する見込み。
経営陣の主なコメント
- 海外ファブ(アリゾナ、熊本)の立ち上げが粗利益を2025年以降5年間で年2~4%圧迫する可能性
- 為替感応度: 1%のNTドル高 → 売上 -1%、粗利益率 -0.4pt
- 2025年通年売上見通し:前年比 +30%(USDベース)
- AI(特にSovereign AIやクラウドAI)需要が長期的に構造的成長をけん引
❓ 質疑応答ハイライト
AIおよびCoWoS需要見通し(J.P. Morgan:Gokul Hariharan)
- Q: CoWoSの需給は2026年にはバランスするか?
- A(CFO): 「バランス」という言葉は誤解を招く。今もなお需給ギャップを「狭めている」状態で、依然として強い需要がある。
- Q: オンデバイスAIの開発状況は?
- A(CEO): 顧客は継続的に設計中で、ダイサイズは5〜10%増。市場での「爆発」は6ヶ月〜1年後と予測。
- Q: 4Qの減収見通しは?
- A(CEO): タリフやマクロ不確実性を考慮した保守的姿勢。顧客行動に変化はなし。
✅ AI需要堅調。CoWoSの逼迫も継続。オンデバイスAIは次フェーズに向け進行中。
為替影響と価格転嫁(Morgan Stanley:Charlie Chan)
- Q: FXによる粗利益率の悪化を価格に転嫁できるか?
- A(CEO): 「我々は自らの価値を得る努力をしている。粗利益率53%以上を達成可能」。
- Q: H20の中国向け出荷解禁でAI CAGR見通し(中期)を上方修正するか?
- A(CEO): まだ正式なシグナルは得ておらず、今後1四半期で判断したい。
N2ノードの立ち上げと収益性(Goldman Sachs:Zheng Lu)
- Q: N2の立ち上げはN3に比べて早いか?
- A: 立ち上げペースはN3と類似だが、収益貢献は大きい(単価が高いため)。2026年の収益貢献は15%に達する可能性あり。
- Q: N5とN3の需給バランスは?
- A: N3は「非常にタイト」。N5も高い稼働率を維持中。 TSMCはN7装置をN5用に流用する柔軟な対応が可能。
コスト構造とAI活用(Arete:Brett Simpson)
- Q: FXや海外ファブに伴うコスト増は価格転嫁可能か?AI活用によるコスト削減効果は?
- A(CFO): 1%の生産性向上=10億ドルの効果がある規模感。価格調整も含めて粗利益率は「53%以上を維持可能」。
A16ノードとAIへの導入時期(SIG:Mehdi Hosseini)
- Q: A16はAI顧客が初めて最先端ノードに移行する契機になるか?
- A(CEO): A16は20%の電力効率向上を実現し、AIデータセンターが最も重視する電力要件を満たす。AI顧客が最先端ノード(A16)に移行するきっかけとなる。
海外ファブ拡張(KGI:Felix Pan)
- Q: アリゾナ第2ファブの立ち上げ前倒しがドイツ・日本に影響するか?
- A(魏CEO): 影響なし。各地域は異なる用途(米:先端、日:CIS、独:車載)。投資判断は顧客ニーズに基づく。

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