ネットフリックス(ティッカー:$NFLX)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $6.61 | $5.66 | 〇 |
売上高 | $10.54B (YoY +12.5%) | $10.50B | 〇 |
ガイダンス 2025Q2EPS | $7.03 | $6.29 | 〇 |
ガイダンス 2025Q2売上高 | $11.04B | $10.90B | 〇 |
業績ハイライト
売上・利益・成長率
指標 | Q1 2024 | 前年同期比 | コメント |
---|---|---|---|
売上高 | $40B 超 | 🟢 増加傾向 | グローバルで300M超の有料会員、700M超の視聴者に到達 |
オペレーティングマージン(通年見通し) | 29% | – | 前年比で改善。通期見通し据え置き |
フリーキャッシュフロー(通年見通し) | $8B | – | 🟢 増加見込み、主に株主還元に使用予定 |
U-CAN(米国・カナダ)地域売上成長率 | Q1: +9% Q2見通し: 加速 | Q4 2023: +15% | **🔴 減速(Q1)**も、Q2での再加速を見込む(価格改定の通期寄与) |
広告収入成長見通し(2025年) | 2倍 | – | アップフロント/プログラマティック広告/スキャッターの成長による |
地域・コンテンツ投資
地域 | 投資額 | コメント |
---|---|---|
メキシコ | $1B | 現地制作体制強化 |
韓国 | $2.5B(2023年) | 長期的な現地作品強化 |
英国 | 継続的投資 | 地域経済・雇用への貢献を強調 |
🟢 経営陣コメント:「エンタメ需要は景気後退時にも堅調」「低価格の広告プラン($7.99)はレジリエンス強化に貢献」
質疑応答ハイライト
長期的な成長目標と内部情報の漏洩に関して
Q(MoffettNathanson – Robert Fishman)
「2030年までに収益2倍、営業利益3倍の内部目標について、投資家はどう捉えるべきか?」
A(Sarandos, Peters)
- 漏洩情報について明言は避けつつも「長期志向であり、計画ではなく”aspiration(志)”」と強調
- 🟢「売上$40B超、会員300M超に到達したが、TV視聴時間の10%以下にとどまり、まだ成長余地は大きい」
景気後退と低価格プラン
Q(Oppenheimer – Jason Helfstein)
「景気後退時に広告付き低価格プランをどう捉えているか?」
A(Greg Peters)
- 現在のところ🔵解約率・プラン選択に変化はなし
- 🟢「広告付きプランは$7.99で、家計に優しい選択肢。需要は堅調」
価格改定の方針
Q(LightShed Partners – Rich Greenfield)
「グローバル経済の不透明性の中で、価格改定のタイミングに変更は?」
A(Peters)
- 「価格改定は利用者が価値を感じた時に実施」
- 「広告付きなど、価格帯の幅を広げて多様な消費者に対応」
会員維持と解約率の傾向
Q(UBS – John Holick)
「Q4の新規加入者の定着率は?」
A(Spence Neumann)
- 「Q1でも安定した維持率」
- 「ライブイベント(NFL, Squid Gameなど)での加入も他作品と同等の維持率を示す」
下期マージン低下の要因
Q(Guggenheim – Michael Morris)
「上期好調なマージンに対して、下期でマージンが低下する要因は?」
A(Neumann)
- 🔴 Q3〜Q4にかけてのコンテンツ支出増(大型タイトルの集中)
- 🔴 広告・マーケティング体制拡充コストの増加
広告事業の進捗とファーストパーティAd Tech
Q(New Street – Dan Salmon)
「マクロ環境とアップフロント(広告契約)の影響は?」
A(Peters)
- 🟢 クライアントとのやりとりでは好感触
- 🟢 2025年に広告収入倍増を見込む
Q(Baird – Vikram)
「独自広告基盤の進捗は?」
A(Peters)
- カナダと米国で展開済み、他10市場も順次展開へ
- 🟢 ターゲティング、測定、プログラマティック機能を強化
ライブイベントとスポーツ戦略
Q(LightShed – Rich Greenfield)
「WWE、F1、MLB、UFCなど大手スポーツの参入は?」
A(Sarandos)
- 🟢「ライブ戦略は”経済的合理性”に基づき検討」
- NFL(クリスマスゲーム)、ボクシング、女性スポーツで成果
- ⚪「ライブは視聴時間の少数だが、話題性・加入者獲得で高い効果」
生成AIと映像制作
Q(Morgan Stanley – Ben Swinburne)
「NetflixはAIをどのように活用?」
A(Sarandos)
- 🟢 AIはVFXやデエイジング技術でコスト削減&品質向上
- 『アイリッシュマン』のVFXは今では1/10以下のコストで再現可能
アニメ戦略と新IP創出
Q(LightShed – Rich Greenfield)
「アニメIP創出の取り組みと現状は?」
A(Sarandos)
- 🟢『LEO』『Pinocchio』『Sea Beast』など成果例を挙げる
- 🟢 Universal, Sonyとの出力契約も補完的に活用
- 2027年までの強力なラインアップ準備中
ショート動画・UGC領域への参入
Q(MoffettNathanson – Robert Fishman)
「YouTubeのようなショート動画へ参入するのか?」
A(Peters, Sarandos)
- 「全体の80%の未開拓TV視聴時間に焦点」
- 「一部のクリエイターにはYouTubeよりも良いマネタイズ環境を提供可能」
- 🟢 Ms. Rachel や Sidemen など実例も紹介
ゲーム事業の進捗
Q(KeyBank – Justin Patterson)
「どんなジャンルがヒット? どう改善していくのか?」
A(Peters)
- 🟢 4つのジャンルで実績あり:
- Netflix IPベース(Squid Game, Black Mirror)
- 大作IP(GTAなど)
- キッズ向け(Peppa Pigなど)
- 家族・パーティー系(今後投入)
- 🔵 投資額はまだ小規模、段階的に拡大予定
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