台湾セミコンダクター(ティッカー:$TSM)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.38 | $1.32 | 〇 |
売上高 | $18.87B (YoY +12.9%) | $18.01B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $20.0B ($19.6B~$20.4B) | $19.08B | 〇 |
業績ハイライト
2024年第1四半期の業績
- 売上高: 189億ドル (前四半期比5.3%減、円ベース)
- 粗利率: 53.1% (前四半期比0.1ポイント上昇)
- 営業利益率: 42% (前四半期比0.4ポイント上昇)
- EPSは8.7ニュー台湾ドル、ROEは25.4%
2024年第2四半期の見通し
- 売上高: 196億ドル〜204億ドル (前年同期比27.6%増の予想)
- 為替レート前提: 1ドル=32.3ニュー台湾ドル
- 粗利率: 51%〜53%
- 営業利益率: 40%〜42%
- 税率: 19%超 (未分配利益への課税計上により一時的に上昇)
2024年通期の見通し
- 売上高: 前年比20%台前半から半ばの成長を見込む
- 設備投資: 280億ドル〜320億ドルを計画
- 70〜80%を先端プロセス技術に投資
- 10〜20%を特殊技術に投資
- 10%をパッケージング・テスト等に投資
質疑応答ハイライト
AI需要について
- スマートフォンやPCの需要は緩やかな回復にとどまるが、AIデータセンター需要は非常に強い
- 従来のサーバー需要は鈍く、大手顧客の予算がAIサーバーにシフトしているため、TSMCにとって有利
- エッジAI/デバイスAIの普及は、ダイサイズの増加とスマートフォン/PCの買い替えサイクルの短縮をもたらすと予想
プロセス技術とマージン影響
- N3はコスト高から企業平均マージンに達するのに時間がかかる見込み
- N2はN3より良いマージンプロファイルが期待できる
- 5nmツールの一部をN3に転用し、3~4ポイントのマージン低下が見込まれる
- N2のテープアウト件数はN3、N5を上回る見込み
米国アリゾナ工場について
- 3つの大型工場を建設し、N4、N3、N2以降で稼働
- 立地の柔軟性をとった戦略的な投資。コスト増は価格転嫁で吸収する計画
先進パッケージング
- 3DIC/SoICなど、導入が進みつつある。スマートフォンへの採用時期は未定
資本支出
- AI需要次第では資本支出を増やす可能性があり、資本集約度は上昇トレンドにある
コスト対策
- 電力コストの上昇をコスト改善と価格転嫁で吸収し、長期的に53%以上の粗利率を目指す
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