2024年3月のFRBベージュブックの要旨をまとめます。
要旨
全体的な経済活動
- 10の連邦準備銀行管区で経済活動が微増ないし穏やかに成長したのに対し、残りの2管区では変化なし
- 消費者支出は全体としてわずかしか増加しなかったが、地域差および支出カテゴリー間で大きな違いがあった
- 一部では裁量的支出の弱さが見られ、消費者の価格感応度が高かった
- 自動車販売は一部の地域で在庫改善と販売促進策により上向いたが、他の地域では低迷が続いた
- 観光活動は平均で若干増加したものの、報告には大きな幅があった
- 製造業活動は全体として微減し、わずか3管区でのみ成長が報告された
- 非金融サービス活動は平均して若干増加
- 銀行融資はほぼ横ばい
- 住宅建設は平均して若干増加し、多くの地域で住宅販売も改善
- 一方、非住宅建設は横ばい、商業用不動産の賃貸は若干減少
- 全体としては経済見通しが慎重な楽観
労働市場
- 9つの連邦準備銀行管区で非常に緩やかから穏やかな雇用増加、残り3管区では変化なし
- ほとんどの地域で労働供給と求職者の質が改善
- 一部では従業員の定着が向上し、他では人員削減も報告
- 特定の職種(機械工、熟練工、接客業など)での深刻な人手不足は継続
- 賃金は8管区で中程度の伸び、他4管区では小幅ないし穏やかな上昇
- 賃金上昇率は全体として前回より緩和
物価
- 全体として物価上昇は前回並みの穏やかなペース
- 一部の地域で原材料価格と エネルギー価格に中程度の上昇
- 複数地域で企業の価格転嫁力低下に伴う利益率の圧縮が報告
- 非営利団体でも物価高の影響によりサービス削減に追い込まれた例もあった
- 先行きの物価は全体的に緩やかな推移を予想
- ただし一部の製造業では短期的な原材料価格やアウトプット価格の上昇リスクも認識
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