マスターカード(ティッカー:$MA)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $3.31 | $3.24 | 〇 |
売上高 | $6.3B (YoY +10.5%) | $6.34B | × |
業績ハイライト
2024年第1四半期の業績
- 非GAAPベースの調整後純利益は前年同期比16%増
- 通貨中立ベースの純収益は前年同期比11%増
- 通貨中立ベースのクロスボーダーボリュームは前年同期比18%増
- 全地域で新規契約を獲得
2024年通期の見通し
- 通貨中立ベースの純収益見通しを据え置き
- 通貨中立ベースの営業費用見通しを据え置き
- 買収や特別項目を除く
マクロ経済環境
- 労働市場は引き続き堅調で、賃金上昇が消費を下支え
- インフレ率は緩和傾向、多くの国で金融政策正常化に向かう
- 一部の国で地政学的リスクは残存
戦略的優先事項
- 消費者向け決済事業
- 新しい決済フローとサービス
- 新しいネットワーク
- 組織構造を再編し、これらの優先事項への取り組みを加速
質疑応答ハイライト
米国デビットカードの動向とReg IIについて
- 米国デビットカードは6%の成長を記録し、好調
- バンクポートフォリオの移行による影響が出始めている
- Reg IIによるオンラインデビットへの影響は小さく、マテリアルではない
- ルーティングの義務化は市場を歪めており、最終的には加盟店が正味の経済的利益に基づいて判断する
- Mastercardは過去5年間で70億ドルをセキュリティソリューションに投資しており、競争上の優位性を持つ
- Visaデビットカードの裏面での地位獲得の機会がある
クロスボーダー取引の収益性について
- 為替変動の影響はトランザクション処理料に表れ、クロスボーダー取引収入には表れない
- 適切なポートフォリオの獲得に注力した結果、収益性の高いポートフォリオミックスとなっている
- 欧州域内のクロスボーダー取引よりも、域外のクロスボーダー取引の方が収益性が高い
- 顧客に価値を提供した際には適切な価格設定を行っており、第1四半期にクロスボーダー取引収入が価格設定により若干押し上げられた
マーケティング費用の減少について
- マーケティング費用はプロモーションのタイミングに応じて変動する
- スポンサー資産の活用タイミングに合わせてマーケティング費用を投下する
- 第1四半期はマーケティング費用が低かったが、今後は投資を増やしていく予定
- リベートやインセンティブの中にもマーケティング的な支出は含まれる
- Mastercardはフィンテックであると同時に大手消費者ブランドでもあり、ブランド投資は非常に重要
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