トラベラーズカンパニーズ(ティッカー:$TRV)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.51 | $2.00 | 〇 |
売上高 | $11.28B (YoY +11.7%) | $10.42B | 〇 |
業績ハイライト
財務ハイライト
- 第2四半期のコア利益は5億8500万ドル(1株当たり2.51ドル)
- 保険引受利益は前年同期比55%増の12億ドル
- 正味既経過保険料は過去最高の102億ドル
- コンバインドレシオは87.7%と3.4ポイント改善
セグメント別ハイライト
- 企業保険:コンバインドレシオ89.2%、正味収入保険料7%増の55億ドル
- 債券・特殊保険:コンバインドレシオ86.1%、正味収入保険料8%増の10億ドル以上
- 個人保険:コンバインドレシオ86.3%と8ポイント近く改善、正味収入保険料9%増
その他のポイント
- 投資収益は前年同期比22%増の7億2700万ドル(税引後)
- 株主還元として4億9800万ドル(自社株買い2億5300万ドル、配当2億4500万ドル)
- 過去7四半期連続で10億ドル以上の営業キャッシュフローを創出
質疑応答ハイライト
企業保険の準備金について
- 最近の賠償責任保険(特にアンブレラ保険)で2億5000万ドルの積み増し
- 2021年から2023年の事故年度が対象で、主にIBNRの調整
- 長期化する請求解決期間や高額化する賠償金に対応
- 2015年から2020年の事故年度は大きな調整不要で安定的
個人自動車保険の競争力について
- 一部の競合他社が大きくシェア拡大している中、トラベラーズは方針件数が減少
- 地域によって状況は異なり、好調な地域では新規契約が増加
- パッケージ商品(住宅保険とのセット)が主力のため、住宅保険の制限が自動車保険にも影響
- 広告費増加など競合他社の攻勢はあるが、業界全体で収益性が改善し成長フェーズに
巨大災害損失について
- 再保険の変更による影響は限定的
- 保険料や保険価額の成長に伴い、自然に保有額も増加
- 大規模災害に対する再保険カバーは十分に確保
E&S(Excess & Surplus)事業の成長戦略
- 従来からE&S事業の能力は保有
- 魅力的な機会を捉えて拡大、Fidelisの買収なども寄与
- 標準的な保険商品が主力である状況に変わりはない
- E&S市場の機会を attractive marginで活用している
労災保険の動向
- 3億ドルの準備金戻入を実施したが、バランスシートの健全性は維持
- 頻度は長期的に低下傾向、パンデミック後の在宅勤務の影響も
- 医療費インフレなどを考慮し、長期的なトレンドを織り込んで料率設定
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