Synopsys(ティッカー:$SNPS)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $3.56 | $3.41 | 〇 |
売上高 | $1.65B (YoY +21.3%) | $1.64B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2EPS | $3.115 ($3.09~$3.14) | $2.97 | 〇 |
ガイダンス 2024通年EPS | $13.51 ($13.47~$13.55) | $13.45 | 〇 |
カンファレンスコール
要約を記載します。
ポジティブな側面
- 業績の強さ: Synopsysは第1四半期において、ガイダンスの上限範囲内での収益と、非GAAP EPSがガイダンスの上限を上回るなど、強力な業績を継続。収益は前年同期比21%増の16億5000万ドル、非GAAP営業利益率は38.7%と前年同期比で約3.5ポイントの向上、非GAAP EPSは前年比36%増の3.56ドルを記録。
- 市場トレンドと成長機会: AI、シリコンの普及、ソフトウェア定義システムの台頭により、コンピューティング要求、新しいアーキテクチャ、新しい設計方法論の需要が高まっている。Synopsysは、EDAツールのリーダーシップと半導体IPの幅広いポートフォリオを通じて、巨大な成長機会を迎えている。
- Ansysの買収: SynopsysはAnsysの買収を発表し、合成可能な市場(TAM)を1.5倍に拡大し、28億ドルにすることで、シリコンからシステムへの戦略をさらに強化。顧客からはこの取引に対して非常に支持的なフィードバックがあった。
ネガティブな側面
- 中国市場の見通し: FY’24のガイダンスでは、中国市場が全体の収益成長に対して引き続き逆風となる可能性が指摘されている。第1四半期は中国からの売上が全体の成長に若干貢献したが、年間を通じての逆風の見通しは変わらず。
- RPO残高の減少: 第1四半期のRPO(契約残高)は82億ドルで、前四半期の86億ドルから減少。この変動は大規模な注文のタイミングの自然な変動によるものであると説明されている。
まとめ
Synopsysは2024会計年度第1四半期において、収益と非GAAP EPSで強力な業績を達成し、市場のトレンドと成長機会に乗じている。Ansysの買収は、シリコンからシステムへの戦略をさらに強化し、合成可能な市場を拡大する大きな一歩となる。中国市場やRPO残高の減少などの逆風にもかかわらず、同社は安定したビジネスモデルと継続的な成長への自信を保持している。
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