シー・リミテッド(ティッカー:$SE)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$0.04 | $0.03 | × |
売上高 | $3.72B (YoY +22.7%) | $3.62B | 〇 |
業績ハイライト
全セグメントで堅調な成長と収益性の改善を達成
- 2024年第1四半期は全セグメントで堅調な成長を実現し、収益性も改善した
- マクロ環境は依然として厳しいが、この数年で組織がリーン化され、より適応力が高まった
- 今後も新たな課題はあるが、逆境に立ち向かい、環境変化に素早く適応する自信がついた
Shopeeは過去最高の四半期注文数、GMV、売上を達成
- 第1四半期の注文総数は前年同期比57%増、GMVは36%増、売上高は33%増
- 単位経済性も改善し、全体の調整後EBITDAマイナスは2,200万ドルに縮小
- アジア市場では調整後EBITDAが1,100万ドルのプラスに
SeaMoneyは堅調な成長と収益性を維持
- 第1四半期のデジタル金融サービス売上高は前年同期比21%増、調整後EBITDAは50%増
- 消費者・中小企業向けローンのアクティブユーザー数が前年同期比42%増の1,800万人超に
- 消費者・中小企業向けローン残高は前年同期比29%増、前四半期比5%増の33億ドルに
Garenaは前年同期比でプラスの成長に回復
- 第1四半期のブッキングスは前年同期比11%増と、プラスの成長に転じた
- Free Fireが全市場で堅調なパフォーマンスを示し、平均MAUが前年同期比24%増加
- Free Fireはユーザー規模で世界最大級のモバイルゲームの1つであり続け、新規ユーザー獲得に非常に効果的
質疑応答ハイライト
Shopeeの長期的な競争優位性の構築について
- Shopeeにとって最も重要なのは、長期的な競争優位性を築くこと
- 主に3つの分野に注力:
- 取引にかかるコストの削減
- 商品の価格競争力強化。他のプラットフォームよりも常に安い価格を提供するため、セラーとのタイアップを強化
- 配送サービスや返品サービス、カスタマーサポートなどを含む、サービス品質の向上
- 競合他社の動向については、短期的には市場や商品カテゴリーごとに最適な対応を検討するが、長期的には上記3点での優位性構築に注力することで成長を目指す
ゲーミング事業の第1四半期の好調の要因と今後の見通し
- 第1四半期のゲーミング事業の好調は、ここ2年の取り組みの結果
- Free Fireをエバーグリーンなフランチャイズにするという信念のもと、ユーザー体験を重視し、ユーザーのフィードバックをもとにゲームを改良
- パンデミック後、ゲーマーがゲームプレイを再び楽しむようになるタイミングで、Free Fireが理想的な製品となった
- 第2四半期も好調が続いており、通年でもFree Fireの二桁成長を見込む
E-commerceの売上とマーケティング費用の削減要因
- 第1四半期のE-commerceの売上とマーケティング費用の大幅な削減は、ライブストリーミングの収益性改善と、マーケットプレイス全体のパフォーマンス向上の両方が寄与
- ライブストリーミングの注文割合は前四半期から安定しているが、バスケットサイズは商品カテゴリーミックスと収益性の最適化により増加
- 物流面でのコスト削減も、ファンダメンタルズの改善に寄与
- 今後もSPXでの自社配送割合を高めていく方針。自社配送のコスト per オーダーは外部業者よりも低いため、自社配送割合を高めることが収益性改善につながる
広告収入の伸びしろについて
- 中国や米国など他国の大手プレイヤーと比較すると、Shopeeの広告収入はまだ数%ポイント低い水準にある
- 広告収入を高める施策として以下の3点に取り組む:
- セラーの広告利用を促進。セラー向けに使いやすい広告ツールを提供し、広告を出稿するSKUプールを拡大
- 技術を活用し、広告の効率性を高める。コンバージョン率を上げることで、ユーザーに提供する広告を増やせる
- オーガニック流入と広告流入のバランスを最適化。コンバージョン率とSKUプール、アプリ内のシナリオに応じて、動的に広告ロードを調整
- 上記の取り組みにより、今後数四半期で広告収入の大幅な増加を見込む
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