メルカドリブレ(ティッカー:$MELI)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $9.74 | $8.37 | 〇 |
売上高 | $5.94B (YoY +37.2%) | $5.52B | 〇 |
業績ハイライト
売上・利益の概況(2025年第1四半期)
指標 | 数値 | 前年同期比 |
---|---|---|
GMV(流通総額) | 非公開(国別記載あり) | アルゼンチン:+126%(米ドルベース) |
1P(直販)GMV成長率 | +102% | – |
スーパーマーケットカテゴリー成長率 | +65% | 加速傾向あり |
フィンテック月間アクティブユーザー | 6,400万人 | +30%以上 |
クレジットポートフォリオ成長率 | +75% | – |
アルゼンチンにおける営業利益率の改善 | +11pp(前年同期比) | – |
総営業利益率(EBIT margin) | 12.9% | 前年同期比 +70bp(前年は12.2%) |
地域別ハイライト
アルゼンチン
- 米ドルベースの収益が前年比で2倍以上に拡大。
- 取扱商品数(items sold)は+52%、GMVは+126%と急増。
- 営業利益率が11ポイント改善。
- フィンテック事業でも高い成長:資産運用残高は+69%、クレジットポートフォリオは4倍に。
経営陣コメント:
「マクロ経済の安定化が追い風となり、強力なブランドと価値提案を最大限に活用できた」(CFO)
ブラジル・メキシコ
- クレジットカード事業への継続的投資が進行。
- ブラジルでは、信用スコアモデルの改善により、クレジットカードの初期延滞率が過去最低を記録。
- ロジスティクスへの積極的投資継続(FC拡張)。
フィンテック事業(Mercado Pago)
指標 | 数値 | 補足 |
---|---|---|
月間アクティブユーザー | 6,400万人 | +30%以上の成長を継続 |
アルゼンチンの信用ポートフォリオ | 4倍 | 延滞率は極めて低水準 |
ブラジルでの高金利預金(120% CDI) | 導入済 | ロイヤルティプログラム加入等の条件付き |
経営陣コメント:
「CDI 120%の金利はマーケティングポジショニングの一環。利用者の主要口座になることを狙う」(Fintech Head)
広告(Ads)事業
- 売上は前年比+50%成長(FXニュートラルベース)。
- Display広告は前年比+100%以上。
- ブランド広告も開放範囲拡大により加速。
- TVへの広告展開も開始(長期戦略の一環)。
質疑応答ハイライト
アルゼンチンの持続性について(Morgan Stanley)
Q: アルゼンチンでのGMV+126%や貢献利益の大幅改善が持続可能か?
A(経営陣):
- 回復基調にあるマクロ環境が追い風。
- 価格競争力や配送改善、品揃え拡充が奏功。
- クレジット・フィンテックも含めて全事業が好調。
- 「単なる比較効果(easy comps)」以上の実質成長が確認できている。
1Pビジネスとスーパーマーケットの成長(Goldman Sachs)
Q: 1P GMVが+102%と大幅に伸びた理由は?スーパーの寄与は?
A(経営陣):
- 技術活用(自動価格設定・買付け・在庫管理)により効率性と成長両立。
- スーパーマーケット単体では+65%と最速成長カテゴリ。
- 1P比率を高めて効率改善&広告収益最大化を図る。
FMCGと広告効果(Merrill Lynch)
Q: FMCGのTAMと他カテゴリへの波及効果は?
A(経営陣):
- CPG購入者は他カテゴリでも購入増加する傾向(ハロー効果)。
- 「Subscribe & Save」導入は今後の課題だが現在は基礎機能を優先。
- 広告事業にも大きな可能性。
ロジスティクス拠点の拡大(JP Morgan)
Q: ブラジルでの物流拠点拡張計画の進捗は?
A(経営陣):
- 現計画に変更なし。昨年多数開設済み。
- Q1は季節要因で新規開設数がやや減少。
- 需要に応じて柔軟に拡大継続。
クレジットポートフォリオと資産健全性(HSBC)
Q: クレジットのリスク指標と今後の動向は?
A(経営陣):
- クレジットカードの割合増加にもかかわらず初期延滞率は過去最低。
- より信用スコアの高い顧客へのシフトで収益性と健全性を両立。
- アルゼンチンでは信用履歴が浅く、延滞率は最低水準。
資金調達戦略とポートフォリオのファンディング(UBS)
Q: 自社資金を多く活用しているが戦略変更か?
A(経営陣):
- 基本戦略は変更なし。ブラジル・メキシコは倉庫型ファシリティで、アルゼンチンは資本市場を活用。
- 今期は戦術的に自社資金を活用して最適化。
競合環境:TikTok・Temu・Amazon(XP)
Q: TikTok Shopの進出やTemuのアルゼンチン参入の影響は?
A(経営陣):
- 競合は常に監視中だが、現時点で深刻な影響は認識していない。
- 新規参入がオフライン消費者をオンラインに誘導する可能性があり、それもチャンスと捉える。
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