パウエルインダストリーズ(ティッカー:$POWL)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.75 | $1.77 | 〇 |
売上高 | $255M (YoY +49%) | $201M | 〇 |
業績ハイライト
第2四半期の業績
- 売上高は前年同期比49%増の2億5,500万ドル
- 新規受注は2億3,500万ドル、受注残高は13億ドルと高水準を維持
- 純利益は3,350万ドル(希薄化後1株当たり2.75ドル)で前年同期の850万ドル(同0.70ドル)から大幅増益
市場動向と見通し
- 石油・ガスやペトロケミカル市場が牽引し、電力や商業・その他産業市場も好調
- データセンター市場への進出を強化、施設の大型化に伴いソリューション提供の機会拡大
- 電力需要の増加により電力事業の案件が増加傾向、新規発電所建設の引き合いも
戦略的取り組み
- ヒューストン工場の拡張が完了、大型電力制御室の製造・統合能力が向上
- 電気製品工場の1,100万ドル規模の拡張を2025年度半ばまでに完了予定
- 電気自動化プラットフォームの拡充、サービス事業の拡大、製品ポートフォリオの多様化・拡大に注力
質疑応答ハイライト
売上高の増加要因と今後の見通し
- 第2四半期の売上高は予想以上に伸びたが、大型案件の資材調達のタイミングによる一時的な要因が大きい
- 受注残高の約50~60%が今後12ヶ月で売上計上される見通し
- 第3四半期と第4四半期の売上高の変動幅は例年よりも小さくなる可能性があるが、通常は第4四半期が季節要因で最も高くなる傾向
粗利益率の改善余地と限界要因
- 高稼働によるレバレッジ効果が粗利益率の改善に寄与してきたが、現在はほぼフル稼働の状態
- 今後は調達コストの管理が粗利益率改善の鍵となる
- 優秀な人材の確保とサポートにも注力し、生産性の維持・向上を図る
キャッシュポジションと資金使途
- 現金および短期投資は3億6,500万ドルでほぼ頭打ちの見通し
- 今期は運転資金として約2,000万ドルを使用、新規受注に伴う前受金である程度補填される
- 1,100万ドルの設備投資を予定、今後も能力拡張に向けた投資を検討
- M&Aについても精力的に取り組んでおり、向こう数年で具体化する可能性
四半期ごとの短期受注の状況と価格動向
- 四半期ごとの短期受注(Book-to-Bill)は1億3,000万~4,000万ドルで安定的に推移
- 価格面では大きな変動はないが、エンジニアリング部品の価格が落ち着いてきたことで若干の改善余地あり
海外事業の動向と見通し
- 英国子会社は好調で過去数年で最高の業績
- 中東での案件が増加傾向、アフリカでもブラウンフィールド案件を中心に引き合い増加
- 来期は海外事業の拡大を見込む
データセンター市場での事業拡大戦略
- 現在は主にデータセンターの外部との接続部分で実績
- 今後はデータセンター内部の低電圧部分にも進出し、トータルソリューションを提供
- 大手企業の認定ベンダーリスト入りに向けて、製品の改良と差別化に注力
- サービス体制は整っており、技術的課題をクリアできれば大きな事業機会が見込める
- データセンター向けに特化した研究開発にも取り組んでいる
コメント