決算：HOOD 2023Q4

ロビンフッド(ティッカー：$HOOD)の2023年第4四半期決算についてまとめます

決算概要

アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。

業績ハイライト

業績ハイライト

• 2023年通期の収益は前年比37%増の19億ドルの過去最高を達成
• 2023年通期の調整後EBITDAは5.36億ドルで過去最高を更新し、前年の3倍以上に
• 2023年第4四半期にGAAP EPSがプラスに転じ、0.03ドルを計上
• 第4四半期の調整後EBITDAは6四半期連続でプラスを維持

主要指標の進展

• 運用資産残高は2021年以来初めて1,000億ドルを超える
• 第4四半期の年換算純入金額は21%の伸び率
• ゴールド会員数は前年比25%増の142万人に到達
• 1月のゴールド新規会員数は6万人で、2023年月間平均の約3倍

2024年の見通し

• 高い収益成長と利益率拡大を目指す
• 20%以上の純入金成長、ゴールド会員数の増加、二桁の取引シェア拡大を見込む
• 調整後営業費用と株式報酬費用の合計は18.5億〜19.5億ドルの見通し（前年比5%増）
• 希薄化株式数の増加を2%以下に抑制する方針

質疑応答ハイライト

他社からの顧客資産流入について

• 第4四半期に13億ドルの顧客資産が他社から純流入し、第1四半期半ばまでにその金額を上回った
• 平均10万ドル以上の大口の顧客資産が主要競合他社から流入している
• ユーザーエクスペリエンスやサービス改善への投資が奏功し、多額の資産を持つ顧客がRobinhoodに資産を移管するようになってきた

2024年の重点施策

• アクティブトレーダー市場でのシェア拡大：モバイルでのユーザーエクスペリエンス改善、ウェブ版トレーディングツールの強化、指数オプションや先物などの新商品追加
• 顧客当たり資産（ウォレットシェア）の拡大：ゴールド会員の拡大、退職口座などの新商品・サービス拡充、ジョイントアカウントなどの新口座タイプの追加
• 海外展開の推進：英国での証券サービス、EUでの暗号資産サービスの機能拡張。新しい国や地域への展開も推進

金利低下の影響について

• 金利と取引活動には強い逆相関の関係があり、金利低下は取引量拡大の追い風になると考えている
• 2024年の平均金利は2023年とほぼ同水準で、金利は売上高にとってニュートラルな影響
• 金利低下は顧客の純入金や取引を後押しするため、全体としてプラスに働くと予想

費用見通しと投資方針

• 2024年のコア費用を削減する一方、削減分を成長事業への投資に振り向ける
• 中長期的にはコア費用の伸びを低い一桁台に抑えつつ、効率化で生み出した原資を再投資していく
• マーケティング費用は状況に応じて機動的に調整。2024年は1億ドル増やす計画
• 海外事業は中長期の成長ドライバーと位置付け、投資を継続する方針

暗号資産ビジネスの展望

• ユーザーエクスペリエンスの改善と低コストでのサービス提供に注力。取引量シェアの拡大が進んでいる
• 独自の入金インフラを活用し、メタマスクなどの外部ウォレットへの送金サービスを拡大
• 伝統的金融と暗号資産の橋渡し役となることを目指す

英国での収益モデルについて

• 英国ではPFOFは許容されないが、それ以外の収益源（レンディング、金利収入など）が利用可能
• 各国の市場特性に応じて米国と同等のARPUを実現できると考えている
• 英国市場は月額課金サービスへの親和性が高く、ゴールド会員サービスの展開を検討中

深夜時間帯取引「24時間マーケット」の状況

• 取り扱い銘柄を大幅に拡大し、現在は900近い上場企業の株式を提供
• 数十万人の顧客が深夜の取引を利用。決算発表時に取引が活発化する傾向
• アクティブトレーダー向けツールの強化などで、さらなる利用拡大を目指す