クアルコム(ティッカー:$QCOM)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.44 | $2.32 | 〇 |
売上高 | $9.39B (YoY +1.3%) | $9.35B | 〇 |
ガイダンス 2024Q3EPS | $2.25 ($2.15~$2.35) | $2.16 | 〇 |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $9.2B ($8.8B~$9.6B) | $9.05B | 〇 |
業績ハイライト
2024年度第2四半期の業績
- 売上高は94億ドル、EPSは2.44ドルで予想の上限を上回った
- QTLの売上高は13億ドル、EBTマージンは71%で予想通り
- QCTの売上高は80億ドル、EBTマージンは29%でガイダンスレンジの上限に到達し、スマートフォンと自動車の強さを反映
- QCT IoTの売上高は前期比9%増の12億ドルで予想を若干上回った
技術とプロダクトロードマップの進展
- Qualcomm AI Hubを立ち上げ、開発者がSnapdragon搭載デバイスでのAIアプリケーション商用化を推進
- 自動車向けデザインウィンパイプラインは約450億ドルに拡大し、26会計年度に40億ドル超の売上高目標達成に向けて順調に進捗
- 新しいSnapdragon 8S Gen 3とSnapdragon 7 Plus Gen 3モバイルプラットフォームを下半期に投入し、フラッグシップ機能を幅広い価格帯に拡大
- 次世代のSnapdragon搭載Windows AI PCの投入を楽しみにしている
見通し
- 2024年度第3四半期の売上高は88億ドルから96億ドル、EPSは2.15ドルから2.35ドルと予想
- QTLの売上高は12億ドルから14億ドル、EBTマージンは69%から73%の予想でスマートフォンの季節性を反映
- QCT売上高は75億ドルから81億ドル、EBTマージンは25%から27%の予想
- QCT IoTは前期比一桁台半ばから後半のプラス成長を見込む
- QCT Automotiveは前期比二桁台前半の成長を予想
質疑応答ハイライト
スマートフォンのコンピューティングサブシステムとモデム・RFの関係
- AIによりコンピューティングサブシステムがバッテリー消費を増加させる可能性がある中で、モデム・RFとの統合の重要性が高まる
- デバイス上のAIやクラウドAIにより、レイテンシーなどでモデムの重要性が増す
- Qualcommの優位性は、モデム・RFの統合に加え、デバイス上でAIをバッテリー消費を抑えつつ実行できる技術にある
中国市場の状況
- プレミアム・ハイエンド層でのミックス改善が業績を牽引
- オンデバイスAIやジェネレーティブAIを搭載したプレミアムデバイスが消費者に受け入れられている
- Xiaomi、Honor、Oppo、OnePlus、Vivoなどのプレミアムデバイスが好調
- Huaweiの再参入がプレミアムAndroidの全体市場を拡大
PCセグメントの見通し
- 下半期にデバイスが発売開始予定だが、2024年度第3四半期のガイダンスへの影響は限定的
- バック・トゥ・スクールシーズンに向けて端末が増加し、2025会計年度にIoTセグメントで大きな影響を与える見込み
- 次回決算説明会でPCについて詳細なアップデートを提供予定
QTLセグメントの動向
- QCTでの中国OEMの回復がQTLには直接反映されない構造
- QCTの恩恵は400ドル超の価格帯でのユニット増だが、ロイヤリティプログラムの構造上、QTLには直接影響しない
デバイスのAI化によるアプリケーション
- スマートフォン初期のアプリ数の増加のように、現在はまだ黎明期だがアプリ数は今後大幅に増加する見込み
- QualcommのAI Hubでは100以上のモデルを用意し、最適化により4倍高速に実行可能
- イメージやカメラ、言語などあらゆるアプリにAIが組み込まれ始めている
- AI化はスマートフォンだけでなくPC、車、産業用途でも進行する
中国OEMの売上動向
- 中国OEMへの売上高は2022会計年度のピーク時と同水準に迫る勢い
- 売上増の主因はミックス改善で、ユニット増ではない
- 5Gへの移行に伴い、2025年にはHuaweiへの製品売上高はゼロになる見通し
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