決算:TSM 2023Q4

決算

Taiwan Semiconductor Manufacturing(ティッカー:$TSM)の2023年第4四半期決算についてまとめます

finviz dynamic chart for TSM

決算概要

アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。

結果予想判定
EPS$1.44$1.37
売上高$19.62B
(YoY -2%)
$19.57B
ガイダンス
2024Q1売上高
$18.4
($18.0B~$18.8B)
$18.2B

業績ハイライト

2023年第4四半期の業績

  • 前四半期比で売上高が14.4%増加し、3nmプロセス技術の本格的な立ち上がりが寄与した
  • 売上総利益率は前四半期比で1.3ポイント低下の53%となったが、主に3nmのランプアップによる利益率の低下が原因
  • 営業利益率は前四半期比0.1ポイント低下の41.6%だったが、売上高の増加によるオペレーティングレバレッジにより予想を上回った
  • 第4四半期のEPSはNT$9.21、ROEは28.1%

2023年通年の業績

  • 売上高は前年比8.7%減の690億米ドル(NT$換算で4.5%減の2兆1,600億NT$)
  • 売上総利益率は設備稼働率の低下と3nmのランプアップにより前年比5.2ポイント低下の54.4%
  • 売上高減少の中でも3nmと2nmの開発に向けたR&D投資を拡大したため、営業利益率は前年比6.9ポイント低下の42.6%
  • 通年のEPSは前年比17.5%減のNT$32.34、ROEは26.2%

2024年第1四半期の見通し

  • スマートフォンの季節性による影響を受ける一方、HPC関連の需要が継続的に見込まれる
  • 売上高はUS$180億~188億(前四半期比6.2%減の予想)
  • 売上総利益率は52~54%、営業利益率は40~42%の予想

2024年通年の見通し

  • 2023年はチャレンジングな年だったが、ジェネレーティブAI関連アプリケーションの台頭によりTSMCが重要な役割を担う
  • 2024年はTSMCにとって健全な成長の年になる見込み
  • 3nmプロセス技術の強力なランプアップ
  • 5nmプロセス技術に対する強い需要
  • AIに関連する力強い需要
  • 2024年の売上高は米ドルベースで前年比20%台前半から半ばの増収を見込む

質疑応答ハイライト

技術リーダーシップとIDMとの関係について

  • ある競合IDMは、自社の最先端技術のPPAがTSMCの2nmを上回ると主張しているが、TSMCはこの主張に同意せず、自社の3nmがそのIDMの技術と同等かそれ以上だと考えている
  • そのIDMの技術は自社製品に最適化されているのに対し、TSMCの技術は幅広い顧客のニーズに対応できるよう最適化されている
  • ほぼ全てのAI関連の企業がTSMCと協業しており、顧客の行動こそがTSMCの技術力を証明している
  • IDMからの受注についてはシナリオを考慮し、慎重にキャパシティ計画を立てている

3nmと2nmの進捗状況について

  • 3nmは2023年後半に本格的な立ち上がりを見せ、2023年の売上高の6%を占めた。2024年は3倍以上の成長を見込む
  • ほぼ全てのスマートフォンとHPCのイノベーターが3nm技術でTSMCと協業している
  • 2nmの開発は順調に進んでおり、2025年の量産開始に向けて予定通りか予定を上回るペースで進捗している
  • 2nmではHPC向けにバックサイドパワーレール版も開発中で、2025年後半に提供開始、2026年に量産の予定

成熟ノードの戦略と収益性について

  • 地政学的な緊張から成熟ノードの需給緩和が懸念されるが、TSMCは差別化されたスペシャルティ技術に注力することで顧客のニーズに応えていく方針
  • 成熟ノードのキャパシティ拡大は顧客との長期的なコミットメントに基づいて行われており、需給緩和の影響は限定的と考えている
  • スペシャルティ技術への注力により、成熟ノードの収益性はTSMCの平均的な水準を維持できる見通し

海外拠点の拡大について

  • 日本の2つ目の工場について、現在真剣に検討中だが、その技術は7nmか16nm、12nmになる見込み
  • 米国アリゾナ州の2つ目の工場は建設中だが、そこで生産する技術はまだ決まっていない。現時点では2027年か2028年の稼働開始を見込んでいる
  • 海外工場で生産する技術は、その地域や時期の顧客需要に基づいて決定される

パッケージング技術の進捗について

  • AIの需要増加によりパッケージング技術への注目が高まっており、CoWoSを中心に需要が非常に強い
  • 現在は顧客の需要に十分に応えられていないが、2023年はCoWoSの生産能力を倍増する計画
  • CoWoS、3D IC、SoICなどのパッケージング技術は今後数年で50%以上のCAGRが見込まれる

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