ヒムズ&ハーズ・ヘルス (ティッカー:$HIMS)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.20 | $0.12 | 〇 |
売上高 | $586.0M (YoY +110.6%) | $538.87M | 〇 |
ガイダンス 2025Q2売上高 | $540M ($530M~$550M) | $564.67M | × |
ガイダンス 通年売上高 | $2.35B ($2.3B~$2.4B) | $2.32B | 〇 |
🧾 業績ハイライト
売上・利益・成長率
項目 | 2025年Q1実績 | 前年同期比 | コメント |
---|---|---|---|
売上高 | $586百万 | +111% | 着実な成長を実現。プラットフォームの拡張と個別化治療の浸透が主因。 |
調整後EBITDA | $91百万 | +約3倍 | マーケティング効率向上とオペレーションの最適化による利益拡大。 |
調整後EBITDAマージン | 約16% | +4pt QoQ | 高収益体質が進行。 |
月間オンライン平均収益/加入者 | $84 | +50% | パーソナライズド製品の浸透が押上げ。 |
加入者動向
項目 | 数値 | 前年同期比 | コメント |
---|---|---|---|
総加入者数 | 約240万人 | +38% | パーソナライズド製品利用者が140万人超に拡大。 |
パーソナライズド処方比率 | 70%以上(新規加入者) | — | 高付加価値サービスへの移行が進む。 |
分野別成長
- 皮膚科領域(メンズ&レディース)
- 加入者の80%以上がパーソナライズド製品を使用。
- 年間加入者数成長率は約50%。
- 性機能改善(セクシャルヘルス)
- デイリー型パーソナライズド製品利用者が前年比2倍に増加。
- 現在の構成比は約40%。
- デイリー製品利用者の初年度リテンションはオンデマンド利用者より約10ポイント高い。
- 減量(ウェイトロス)
- 18か月で主要カテゴリーに成長。
- Novo Nordiskとの提携でブランド薬Wegovyも提供開始。
- オーラル治療、リラグルチド、パーソナライズドセマグルチドを含む多様な選択肢を提供。
- オーラル治療加入者は前年比300%以上の成長。
ガイダンス(2025年)
項目 | 見通し | 成長率(前年比) | コメント |
---|---|---|---|
通期売上高 | $2.3B~$2.4B | +56%~+63% | 減量分野の成長継続と個別化治療の浸透が牽引。 |
通期調整後EBITDA | $295M~$335M | — | マージン13%を維持しつつ成長見込む。 |
Q2売上高 | $530M~$550M | +68%~+74% | セマグルチド移行影響により一時的減収予想。 |
Q2調整後EBITDA | $65M~$75M | — | マージン13%を維持。 |
経営陣コメントの要約
- CEOアンドリュー・デュダム氏:
- 「Netflix型」戦略を掲げ、データ活用による個別化医療の大衆化を加速。
- 2030年には売上$6.5B、調整後EBITDA $1.3Bの達成を掲げる。
- 新分野(低テストステロン、閉経サポート、長寿医療)への展開強化。
- Novo Nordiskとの提携は業界との信頼構築の象徴であり、さらなる提携の布石。
- CFOイェミ・オクペ氏:
- GLP-1関連の収益変動に対応する一方で、その他領域で約30%のYoY成長を達成。
- マーケティング費は売上比39%、前年比8pt改善。
- $109Mの営業キャッシュフロー、$50Mのフリーキャッシュフローを創出。
💬 質疑応答ハイライト
Novo Nordiskとの提携と今後のロードマップ
Q: 今後の共同開発計画は?パートナーとしてどのような展開を見込むか?
A(Andrew Dudum):
- Novo Nordiskとは戦略的に緊密な議論を継続。
- 製品カテゴリ、地域展開、データ活用での連携を検討中。
- 長期的には、診断・予防検査、治療、臨床サポートを統合したヘルスケアエコシステムの構築を目指す。
ペプチドおよびラボ診断買収の意義と長寿医療への布石
Q: ペプチド製剤工場の買収意図とその将来的展開は?
A(Andrew Dudum):
- 富裕層向けに限定されていた最新医療(例:回復、抗炎症、老化抑制など)を大衆化する狙い。
- ラボ検査と連携し、予防医療モデルを普及。
- 将来的には「健康を理解する」初期接点としての位置付けも視野に。
減量分野の構成と目標達成見通し(5M)
Q: 今年の売上見通しに対する主要ドライバーは?
A(Yemi Okupe):
- オーラル製品、リラグルチド、Wegovyを含む多様な選択肢が強み。
- 商業用セマグルチドからの移行はQ2で完了予定。
- 多様な治療選択肢がロイヤリティと取得効率を両立。
性機能改善分野の今後の成長再加速
Q: トランジションの影響と正常化タイミングは?
A(Andrew Dudum):
- 短期的に成長鈍化するが、パーソナライズド&デイリー製品の浸透で構造改善中。
- リテンションが最大10pt改善しており、長期的には堅調な成長を見込む。
パーソナライズドGLP-1の位置付けとリスク対応
Q: Novoとの関係における緊張関係や比率調整要求は?
A(Andrew Dudum):
- 臨床判断の独立性を最重視。
- 個別化セマグルチドは、既存薬が適合しない人のための必要オプション。
- 比率規制などは一切受け入れない方針。
保険導入の可能性
Q: 保険適用の意欲は?
A(Andrew Dudum):
- 導入意欲は非常に低い。
- 米国では大多数が高額自己負担のため、実質キャッシュペイモデルの方が効率的。
- 価格と利便性で保険コペイと競争できる水準を目指す。
予防医療・長寿領域の今後
Q: どのようなサービス展開を見込むか?
A(Andrew Dudum):
- 今後2~5年で、予防的な血液検査や全身スキャンが主流化すると予測。
- がんリスクスコア、認知症、アルツハイマー等の長期慢性疾患の診断補助も視野。
- 「デジタル予防医療プラットフォーム」としての立ち位置確立を目指す。
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