Arm(ティッカー:$ARM)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.29 (YoY +32%) | $0.25 | 〇 |
売上高 | $824M (YoY +14%) | $763M | 〇 |
ガイダンス 2024Q4EPS | $0.30 ($0.28~$0.32) | $0.20 | 〇 |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $875M ($850M~$900M) | $788.3M | 〇 |
ガイダンス 2024通年EPS | $1.05 ($1.00~$1.10) | $1.00 | 〇 |
ガイダンス 2024通年売上高 | $3.02B ($2.96B~$3.08B) | $2.96B | 〇 |
業績ハイライト
記録的な業績
- 第3四半期の売上高は過去最高を更新し、ガイダンスの上限を上回った
- 第4四半期も過去最高の売上高を見込む
- 2024会計年度の売上高予想を31億5500万ドル~32億500万ドルに上方修正
ライセンス収入の伸び
- 新製品「Arm Total Access (ATA)」により、最先端のCPUやNPUへのアクセスを提供
- AIの需要拡大を受け、より多くの compute を組み込む必要性から、ライセンス収入が伸長
- 「コンピュートサブシステム」戦略により、顧客の設計検証や市場投入までの時間を短縮
ロイヤリティ収入の伸び
- Armv9の普及が進み、ロイヤリティ収入に占める割合が前四半期の10%から15%に上昇
- Armv9はArmv8と比べ、ロイヤリティ料率がおよそ2倍
- スマートフォンだけでなく、インフラやその他の市場でもシェア拡大が進んでいることが寄与
- チップに組み込まれるArm技術の量が増えるにつれ、ロイヤリティ料率も上昇
AIによる追い風
- 学習・推論用の高度なデバイスから、エッジデバイスに至るまで、AIワークロードの実行がArm製品の需要を押し上げ
- 顧客がAIの需要に対応するため、Arm技術への投資を加速
- スマートフォンにおいても、将来のAIアプリケーションへの対応を見据えた、より高性能な技術の採用が進む
質疑応答ハイライト
ライセンス収入の今後の見通し
- 来期のロイヤリティ収入については、ほぼ全てが契約済みのため見通しは良好
- ライセンス収入は予測が難しいが、AI関連の需要増加により、想定外の上振れが発生
- AIへの注力を受けて、通常よりも販売サイクルが短い案件が増加傾向
- 今四半期の動向を見極め、来期の見通しを立てる必要がある
Armv9の普及状況と見通し
- プレミアムスマートフォンはほぼ全てがArmv9に移行済み
- 最新のスマートフォンはAIワークロードに対応するため、できる限り多くのArmv9技術を搭載
- ハイエンドのデータセンターチップはほぼ全てがArmv9ベース
- 今後3~4年かけて、スマートフォン全体にArmv9が普及する見通し
Arm Chinaの売上高増加要因
- 中国市場はグローバル市場の動向に追随する傾向
- データセンターや自動車などの成長に加え、スマートフォン市場の回復も寄与
- 個別顧客の内訳は非公開だが、全体的な傾向として説明
Armv9のロイヤリティ料率
- 同等のArmv8と比べ、Armv9は少なくとも2倍のロイヤリティ料率
- Neoverseやオートモーティブ、ハイエンドのクライアント向けCPUではさらに高い料率も
- AIの需要増を受け、想定よりもArmv9コアの採用比率が高まっている
中国市場の見通し
- 中国の売上高比率は今後、10%台半ばまで低下すると予想
- 直近2四半期は想定以上に早い回復基調
- 今四半期の進捗を見極めつつ、今期の見通しを立てる
Arm Flexible Access (AFA) からATAへの移行
- 当初の想定通り、AFAの顧客がビジネスの拡大に伴い、ATAにアップグレードするケースが発生
- AFAの顧客が商業的な成功を収めると、より広範にArm技術を活用するようになる
- 予期していた通りの良い傾向であり、歓迎すべき動き
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