ディーローカル(ティッカー:$DLO)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $0.17 | $0.16 | 〇 |
| 売上高 | $282.5M (YoY +52.0%) | $262.01M | 〇 |
業績ハイライト
売上・TPV(総決済額)・粗利益
| 指標 | 2025年Q3実績 | 前年同期比 | 前期比 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| TPV(総決済額) | $10.4B | +59% | +13% | 為替一定ベースでは+66%成長 |
| 売上高 | $282M | +52% | +10% | 為替一定ベースでは+63%成長 |
| 粗利益 | $103M | +32% | +4% | 為替一定ベースでは+41%成長 |
| Adjusted EBITDA | $72M | +37% | +2% | 粗利益の約70%に相当 |
| 純利益 | $52M | – | – | アルゼンチン国債のポジション削減による財務費用の減少が主因 |
| フリーキャッシュフロー | $38M | – | – | 安定したキャッシュ創出能力を維持 |
地域別・サービス別の成長
- ラテンアメリカ(ブラジル、コロンビア、ボリビア):引き続き力強い成長を見せ、特にストリーミング、eコマース、広告分野が好調。
- アフリカ・アジア(ナイジェリアなど):フロンティア市場での成長が継続。
- アルゼンチン:為替スプレッドの縮小と一時的な処理コスト増加により粗利益が減少。
- エジプト:シェア縮小により粗利益に下押し圧力。
- メキシコ:一時的なコスト上昇と輸入関税によるTPV鈍化。
サービス別動向
| サービス区分 | 前期比成長率 | 年間成長率 |
|---|---|---|
| クロスボーダー | +13% | +75% |
| ローカルtoローカル | +13% | +46% |
| ペイイン | +12% | +55% |
| ペイアウト | +14% | +70% |
- APMs(オルタナティブ決済手段):27のローカル決済手段を16カ国でカードオンファイル的にトークン化し、利便性とコンバージョン率を向上(例:ペルーのYapeではコンバージョン率+34pt)。
- Buy Now, Pay Later(BNPL)Fuse:自社BNPLアグリゲーターを6カ国で導入し、QOQで2.5倍の成長。リスクは取らず、地場パートナーとのレベニューシェアモデル。
営業費用・人件費・税金
- 総営業費用:$48M(前年同期比+28%、前期比+10%)
- 主な増加要因:営業・マーケティングおよび技術部門の人件費(株式報酬含む)
- 法人税率:15%
営業レバレッジと効率性
- Adjusted EBITDAマージン:70%
- 従業員あたり売上高:2期連続で上昇。自動化とAIプロジェクトによる投資効果が反映。
業績見通し(ガイダンス)
- TPV:通年のガイダンス上限を超える見込み
- 売上:通年ガイダンスの上限付近で推移
- 粗利益・EBITDA:中間値~上限の範囲で着地見込み
- 注意喚起:
- メキシコの関税引き上げによるeコマース鈍化
- ブラジルの税制・財政改革による不確実性
- アルゼンチン、エジプト、ボリビアなどでの為替レジーム変更の可能性
質疑応答ハイライト
アルゼンチンの見通しと為替影響(Daer Labarta氏)
Q1:アルゼンチンでの選挙影響と今後の為替見通しは?
A(Pedro):
- 選挙後はTPVが回復傾向。
- 「クロウリングペグ(漸進的為替調整)」が維持されれば、当社にとってはポジティブ。
- 通貨フロート化の場合は規模次第で影響あり。
- アルゼンチンはQ3粗利益全体の12%に過ぎず、影響は限定的。
- スプレッド圧縮の再拡大により、Q4の回復に期待。
Q2:ブラジルの税制変更(例:海外送金への課税)への影響は?
A(Pedro):
- 現時点では当社には直接的な影響なし。
- 当社の仕組みによって、逆に国際企業にとって魅力的な選択肢となる可能性もある。
- フィンテック課税に関しては明確な回答避けたが、現時点では影響なしとの認識。
成長セグメント(Matthew Coad氏)
Q:eコマース・送金セグメントが強い成長を牽引。来年以降の見通しは?
A(Pedro):
- eコマースは最大セグメントで引き続き堅調。
- SaaS、ストリーミング、ライドシェア、オンデマンドも50%成長前後で推移。
- 送金は200%以上のYoY成長で、今後も安定成長を見込む。
- 送金によるFXネット化により収益性防衛にも寄与。
Q:テイクレートの要因分析、”Others”の要因とは?
A(Pedro):
- “Others”カテゴリーに一過性の要因あり(詳細非開示)。
- 調整後では1%以上のテイクレート維持。
- 年末商戦では競合によるディスカウントも増加傾向。これは業界の季節性。
ブラジル市場の成長要因(Guilherme Grespan氏)
Q:ブラジルの成長が力強いが、特定の顧客依存では?
A(Pedro):
- 特定顧客による集中ではなく、複数のグローバル顧客による広範な成長。
- 新規大口顧客の立ち上がりも寄与。
- ブラジルはクロスボーダー比率が高く、テイクレートやスプレッドも高め。
ローカル決済手段とBNPL(James Friedman氏)
Q:ローカルtoローカル成長とBNPLの拡大がテイクレートに与える影響は?
A(Pedro):
- クロスボーダーの構成比率は安定しており、大きな下落傾向なし。
- BNPLは高いテイクレート構造。地場金融機関とのRevShareモデルで展開。
- クロスボーダーとローカルtoローカルのバランスが強み。
Q:トークン化済みAPM(APMs-on-file)と通常APMの違いは?
A(Pedro):
- トークン化によりカードオンファイルのような利便性を実現。
- カスタマーの利用頻度、政府の支援、決済主権の観点でもAPMは拡大中。
APMとネットテイクレート(Neha Agarwala氏)
Q1:APMはテイクレート低いが、粗利率は維持されているのか?
A(Pedro):
- はい、APMはコスト構造が軽く、粗利益率はカード並み。
- 使用比率が高くなり、ボリューム成長でカバーされる。
Q2:今後テイクレートが圧迫される中での差別化戦略は?
A(Pedro):
- Buy Now, Pay Later、カードプレゼント(POS)、Stablecoin on/off ramp、KYC/ID verification など、非決済領域への展開を強化。
- 中期的にはテイクレート圧縮を製品ラインの拡充で補完していく戦略。

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