ケイデンス(ティッカー:$CDNS)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.28 | $1.23 | 〇 |
売上高 | $1.06B (YoY +8.5%) | $1.04B | 〇 |
ガイダンス 2024Q3EPS | $1.44 ($1.39~$1.49) | $1.60 | × |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $1.180B ($1.165B~$1.195B) | $1.20B | × |
ガイダンス 通年EPS | $5.87 ($5.77~$5.97) | $5.93 | × |
ガイダンス 通年売上高 | $4.63B ($4.60B~$4.66B) | $4.60B | 〇 |
業績ハイライト
財務結果
- 第2四半期の総収益は10億6100万ドル
- GAAPベースの営業利益率は27.7%、非GAAPベースの営業利益率は40.1%
- GAAPベースのEPSは0.84ドル、非GAAPベースのEPSは1.28ドル
通期見通し
- 2024年通期の収益見通しを前回から引き上げ、前年比13%以上の成長を見込む
- 非GAAPベースのEPS見通しを0.06ドル引き上げ
事業概況
- 第2四半期の受注は予想を上回り、健全な受注残高を維持
- 製品ポートフォリオ全体で幅広い勢いを維持
- IPとシステムデザイン&分析事業が引き続き力強い成長を示す
- Cadence.AIポートフォリオの受注が前年比3倍以上に増加
主要な成果
- NVIDIAがPalladium ZIを次世代AI製品ロードマップ向けに広く導入
- 大手ハイパースケーラーがCadence.AI EDA、SDA、ハードウェアポートフォリオを大幅に拡大採用
- SamsungのSFII GAA先端プロセス向けにCadence.AIデジタル/アナログツールを最適化
- TSMCとの長期的な協力関係を拡大、3D-IC、設計IP、フォトニクス等で包括的な技術進歩を実現
質疑応答ハイライト
半導体業界の成長とCadenceの位置づけ
- 半導体業界の売上成長に対し、Cadenceの成長率は低めに見える
- Cadenceの収益は顧客のR&D支出により強く結びついており、業界の収益改善が即座にR&D支出増につながるわけではない
- AIの広がりにより、データセンター以外の自動車やエッジデバイスなどでも需要が拡大している
- Cadenceは設計ソフトウェアの不可欠なプロバイダーとしての地位を維持している
2024年下半期の収益見通し
- 第4四半期に29%の成長を見込む理由:
- IPとハードウェアからの前払い収益が下半期に集中
- ハードウェアシステムの構築に時間がかかるため、第4四半期の収益が多くなる
- IP収益は納品のタイミングに基づいて認識される
- 中国からの収益は慎重に見積もっており、ガイダンスの中央値を達成するには中国からの収益が13%になる必要がある
新世代ハードウェアシステムの需要と生産
- 新しいZ3/X3システムへの需要が非常に強い
- 新システムの注文が生産能力を上回るペースで入ってきている
- 第3四半期に原材料を大量に購入し、在庫を積み増す計画
- 複数年分の原材料を一括購入することで、将来の需要に備える
AIの採用状況と影響
- AIの使用例が増加している
- デジタル実装の自動化から、設計/技術の共同最適化(DTCO)、フロアプランニング、3D-IC探索など、より広範な用途に拡大
- ワークフロー全体の自動化が進んでいる
- LLMsとGen AIにより、仕様からRTLへの変換など新しいワークフローが可能になっている
- 設計プロセスへのAI導入が転換点を迎えており、複数の製品ラインにわたる包括的なAIポートフォリオを提供している
メモリ顧客の動向
- メモリ顧客が高度なデジタル設計に移行している傾向がある
- HBMなどの影響で、メモリ企業でのデジタル実装設計が増加
- 3D-IC統合やTSMCの技術との統合など、新たなトレンドがメモリ分野で見られる
- CadenceはVirtuosoプラットフォームでメモリ実装の主要な選択肢となっており、デジタル設計の増加にも対応している
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