オラクル(ティッカー:$ORCL)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.47 | $1.49 | × |
売上高 | $14.13B (YoY +6.4%) | $14.39B | × |
業績ハイライト
総売上とクラウド成長
項目 | 数値 | 成長率 |
---|---|---|
総売上 | $14.1B | +8% |
クラウド売上 (SaaS + IaaS) | $6.2B | +25% |
SaaS売上 | $3.6B | +10% |
IaaS売上 | $2.7B | +51% |
クラウドサービス&ライセンスサポート売上 | $11B | +12% |
インフラサブスクリプション売上 | $6.2B | +18% |
データベースクラウドサービス売上 | $2.3B | +28% |
オートノマスデータベース消費収益 | – | +42% |
クラウドRPO (受注残高) 成長率 | – | +90% |
- AI需要の急増により Oracle Cloud Infrastructure (OCI) の収益は51%増加。
- OCI消費収益は57%増加 し、供給が追い付かない状況。
- データセンター数が101に到達し、競合を大幅に超える拡張が進行中。
- クラウドデータベース収益が成長加速し、OCI、戦略的SaaSアプリケーションとともに主要な成長ドライバー。
- 残存パフォーマンス義務 (RPO) は$130Bに達し、+6%成長。
収益性とEPS
指標 | 数値 | 成長率 |
営業利益率 (Non-GAAP) | 44% | +1%pt |
営業利益成長率 (Non-GAAP) | – | +9% |
Non-GAAP EPS | $1.47 | +7% (CCベース) |
GAAP EPS | $1.02 | +25% (CCベース) |
営業キャッシュフロー (TTMベース) | $20.7B | +14% |
フリーキャッシュフロー | $5.8B | – |
- 営業利益率が改善 し、引き続きコスト管理が効果を発揮。
- クラウドRPOの増加 により、今後の収益成長が強く見込まれる。
キャピタルアロケーションとガイダンス
- 配当を$0.40→$0.50 (+25%) に増額。
- 自社株買いは$150M、過去10年間で発行株数を1/3削減。
- 2025年度のCapEx見通しは$16B (昨年比2倍超) で、クラウドインフラの拡張を加速。
質疑応答ハイライト
Stargateプロジェクトについて (Brad Zelnick – Deutsche Bank)
Q: OracleがAI分野のリーダーであるOpenAIやNVIDIAと組んで進めているStargateプロジェクトの独自性は?
Larry Ellison:
- Oracleの技術優位性 (高速・低コスト) が決め手。
- AIトレーニングにおけるスピードと経済性で競争力を持つ。
- $130BのRPOにはStargateは含まれておらず、今後さらに増加が期待できる。
AIトレーニング vs. インファレンス (Aleksandr Zukin – Wolfe Research)
Q: AIトレーニング市場の成長鈍化を懸念する声があるが、Oracleの見解は?
Larry Ellison:
- AIインファレンス (推論) 市場はトレーニング市場よりも大きな成長余地。
- Oracle Database 23 AIは、企業データをAIに活用できる唯一のソリューション。
- 企業が独自のデータを活用し、AIモデルを最適化することが次の大きなビジネス。
マルチクラウドの拡大とOCIの需要 (James Wood – TD Cowen)
Q: マルチクラウド、オンプレミス、専用クラウドの需要動向は?
Safra Catz:
Hyperscalerとの提携が進み、AWS, Azure, Googleのクラウド上でもOracle DBの利用が急増。
マルチクラウドは前年比10倍成長し、今後も急速に拡大。
OCIのパブリッククラウド、Cloud@Customer、専用クラウドも好調。
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