ボーイング(ティッカー:$BA)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$5.90 | -$3.23 | × |
売上高 | $15.24B (YoY -30.8%) | $15.18B | × |
業績ハイライト
全社業績
- 第4四半期の売上高は152億ドル(前年同期比31%減)、主に労働組合のストライキによる商用機の納入減が影響
- コア損失は1株当たり5.90ドル、主にIAMストライキと防衛プログラムの費用増による
- フリーキャッシュフローは41億ドルのマイナス、前回の業績発表時の予想通り
事業部門別の状況
- 民間航空機(BCA)
- 第4四半期の納入機数は57機
- 売上高は48億ドル
- 営業利益率は-43.9%
- 受注残高は4,350億ドル、5,500機以上
- 防衛・宇宙(BDS)
- 第4四半期の受注額は80億ドル
- 売上高は54億ドル(前年同期比20%減)
- 営業利益率は-41.9%
- 固定価格開発プログラムで17億ドルの費用増
- グローバルサービス(BGS)
- 第4四半期の受注額は60億ドル
- 売上高は51億ドル(前年同期比6%増)
- 過去最高の営業利益率19.5%を達成
2025年の見通し
- フリーキャッシュフローは引き続きマイナスだが、2024年より大幅な改善を見込む
- 第1四半期は2024年第4四半期と同程度のマイナス
- 上期はマイナス、下期はプラスに転じる見通し
- 設備投資は約5億ドル増加の見込み
質疑応答ハイライト
737 MAXの生産状況
- 現在の生産レートは月産20機台半ば
- 月産38機に向けて順調に進捗
- FAA合意の6つのKPI(品質指標)に基づき生産安定性を確認
- KPIには不適合通知、部品不足、従業員熟練度などが含まれる
787の生産・納入状況
- 現在月産5機で安定生産中
- 年内に月産7機へ増産予定
- シート認証の遅れが課題として継続
- 2025年の納入目標は75-80機程度
防衛事業の固定価格開発プログラム
- T-7A開発プログラムでは空軍と改善に向けた覚書を締結
- KC-46タンカーでは製造コスト増加が影響
- 新規費用増17億ドルの約1/3は今後3年間で発生
- 事業全体の収益性改善には数年を要する見通し
777Xプログラム
- 2026年の初号機納入スケジュールは維持
- 飛行試験を再開、スラストリンク問題の解決に目途
- 2025年は在庫投資によりキャッシュフローが悪化する見込み
- 2027年以降は納入増加に伴いキャッシュフロー改善を見込む
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