アーム(ティッカー:$ARM)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.40 | $0.35 | 〇 |
売上高 | $939M (YoY +39.1%) | $906.5M | × |
ガイダンス 2025Q2EPS | $0.25 ($0.23~$0.27) | $0.28 | × |
ガイダンス 2025Q2売上高 | $805M ($780M~$830M) | $812.75M | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $1.55 ($1.45~$1.65) | $1.57 | × |
ガイダンス 通年売上高 | $3.95B ($3.8B~$4.1B) | $3.99B | × |
業績ハイライト
第1四半期の主な業績
- 売上高は前年同期比39%増の9億3900万ドルで、過去最高を記録
- ライセンス収入は前年同期比72%増
- ロイヤリティ収入は前年同期比17%増
- 非GAAPベースの営業利益率は48%
通期見通し
- 通期の売上高見通しは38億~41億ドルで変更なし(前年比18%~27%増)
- 通期のロイヤリティ収入成長率は低20%台を予想(従来の中20%台から下方修正)
- 非GAAPベースのEPS見通しは1.45~1.65ドルで変更なし
その他のハイライト
- スマートフォン向けロイヤリティ収入は前年同期比50%以上増加
- Armv9アーキテクチャの採用が進み、全体のロイヤリティ収入の25%を占める
- コンピュートサブシステム(CSS)の需要が増加、主要市場で積極的な取り組みを展開
質疑応答ハイライト
ライセンス収入の増加とロイヤリティ収入への影響
- ライセンス収入の増加は、顧客のR&D投資継続を示す
- ライセンスからロイヤリティ収入化までは通常3-4年かかる
- スマートフォン業界が最も早く、約3年程度
- データセンターや自動車業界ではさらに長期化する可能性がある
- Armv9やコンピュートサブシステムのライセンスが増加しており、将来的なロイヤリティ成長の良い指標となる
市場別のロイヤリティ収入動向
- スマートフォン:50%以上の成長(出荷台数は一桁台の成長)
- クライアント全体:約20%の成長
- クラウドコンピューティング:75%以上の成長(過去最高)
- 自動車:約20%の成長(主にADASとIVI分野)
- IoT、ネットワーキング、産業用:マイナス成長(在庫調整の影響)
データセンター市場での展開
- NVIDIAのGrace HopperとGrace Blackwellに注目
- Grace Blackwellは出荷が開始され、Grace Hopperよりも高い出荷量を期待
- カスタムチップ、カスタムブレード、カスタムラック、カスタムシステムの傾向
- Armベースのソリューションはカスタマイズ性と電力効率の高さが強み
- 現時点ではCPUとAIデータセンターの具体的な数字を示すのは時期尚早だが、急速な成長を予想
PCにおけるArmのシェア予測
- 5年以内にPC市場の50%のシェアを獲得する見通し
- 最新のArm技術を使用した製品が登場(例:Dell XPS、19時間以上のバッテリー寿命)
- 幅広いサプライヤーベースの拡大
- エントリーレベルからハイエンドまでの製品ラインナップの充実
- バッテリー寿命の向上と性能面での妥協のなさが強み
Armv9の採用状況と今後の見通し
- 全体のロイヤリティ収入の25%をArmv9が占める
- スマートフォン市場では約50%がArmv9からの収入
- 四半期ごとに約500ベーシスポイントのペースでArmv9の割合が増加
- 市場別の採用状況:スマートフォン > インフラストラクチャ > 自動車 > IoTの順で進展
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