2024年9月17日と9月18日に開催された、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の要約です。
要約
経済状況の詳細評価
- 実質GDPは2024年前半に堅調に拡大し、第3四半期も同様のペースを維持
- 雇用の伸びは年初から緩やかになっているが、失業率は低水準を維持
- 個人消費支出(PCE)価格指数の7月の前年比上昇率は2.5%、コアPCEは2.6%
- 8月のCPIは前年比2.5%、コアCPIは3.2%で、いずれも前年から大幅に低下
- 労働市場の状況はさらに緩和したが、依然として堅調
金融市場と金融政策の予想
- 市場が予想する政策金利経路は大幅に低下
- 2024年末までに約100ベーシスポイントの利下げが予想される
- 名目国債利回りは大幅に低下、特に短期債で顕著
- 株価指数は上昇、社債スプレッドはほぼ横ばいで歴史的に低い水準
国際金融情勢
- 多くの先進国の中央銀行が利下げを開始または継続
- ドル指数は下落、主に先進国通貨に対して減価
- 海外の経済成長は第2四半期に減速、最近の指標も引き続き低調
参加者の経済見通し
- ほぼ全ての参加者がインフレの2%への持続的な回帰に自信を深めた
- 労働市場の状況は委員会の長期的な最大雇用目標と一致または近い
- 経済活動は引き続き堅調なペースで拡大すると予想
- 消費支出は堅調だが、一部の参加者は低・中所得世帯の財政状況に懸念
リスク評価
- インフレリスクの上振れは減少し、雇用の下振れリスクが増加
- ほぼ全ての参加者が二重責務目標達成のリスクはほぼバランスしていると評価
- 消費支出の予想以上の減速リスクを指摘する参加者もいた
金融政策の決定と議論
- FFレート誘導目標を0.5%ポイント引き下げ、4.75-5%に設定
- 大多数の参加者が0.5%ポイントの利下げを支持
- 一部の参加者は0.25%ポイントの利下げを選好
- 証券保有の縮小を継続することを決定
- 政策の中立的なスタンスに向けて徐々に移行する見通し
今後の政策スタンス
- 今後の政策決定はincoming data、経済見通し、リスクバランスを慎重に評価
- 政策決定は事前に決められたものではなく、経済の進展に条件付けられる
- バランスシートの縮小は、FFレートの引き下げ後もしばらく継続する可能性
投票結果と反対意見
- 11名が賛成、1名(Bowman氏)が反対
- Bowman氏は0.25%ポイントの利下げを選好
- Bowman氏はコアインフレが目標を大きく上回っていること、労働市場が完全雇用に近いこと、堅調な基調的成長を理由に挙げた
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