アップスタート(ティッカー:$UPST)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$0.17 | -$0.39 | 〇 |
売上高 | $128M (YoY -5.7%) | $124.53M | 〇 |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $150M | $135.33M | 〇 |
業績ハイライト
収益
- Q2の手数料収益は1億3100万ドル(前年比9%減)
- 純利息収入は-300万ドル(前年比および前四半期比で改善)
- 全体の純収益は1億2800万ドル(前年比6%減、ガイダンスを300万ドル上回る)
取引量
- Q2のローン取引量は約14.4万件(前年比31%増、前四半期比21%増)
- 新規借り手は89,000人以上
- 平均ローン規模は7,700ドル(前四半期の9,500ドルから減少)
利益
- Q2のGAAP純損失は5400万ドル
- 調整後EBITDAは-900万ドル(ガイダンスを上回る)
- 調整後1株当たり利益は-0.17ドル
バランスシート
- Q2末のバランスシート上のローンは6億8600万ドル(前四半期の9億2400万ドルから減少)
- 無制限の現金残高は3億7500万ドル
- 公正価値でのネットローン資本は約4億4900万ドル
ガイダンス
- Q3の総収益見込みは約1億5000万ドル
- Q4では調整後EBITDAがプラスに転じる見込み
- 2024年下半期の手数料収益は約3億2000万ドルを予想
質疑応答ハイライト
四半期中のトレンドと7月の状況
- 四半期を通じて需要が加速し、6月は4月よりも強かった
- 7月も好調なトレンドが続いており、Q3ガイダンスの上方修正につながっている
- クレジットトレンドも改善しており、デフォルト率が年初以降ピークアウトし低下傾向にある
固定費と変動費の構造
- 貢献マージンは事業拡大とともにやや縮小する見込み(主にテイクレート低下による)
- 固定費ベースは売上よりも緩やかに増加し、事業規模拡大とともに営業レバレッジが改善する見込み
- スケールメリットが効いてくるため、収益拡大は効率的に利益に寄与する見込み
コンバージョン率の改善
- コンバージョン率の改善は主にモデル精度向上によるもの
- 現時点ではコンバージョン率改善の余地は大きく、プラトーに達する段階ではない
- 長期的なロードマップとしてモデル改善とコンバージョン率向上を継続する
小口ローンの位置づけ
- 小口ローンは新規顧客獲得チャネルとして機能している
- リスクの低い少額から始めることで、モデルの学習を加速させている
- 小口ローン顧客の多くが他のUpstart商品に再申込みしている
- 経済的にも好調で、収益にプラスの貢献をしている
バランスシートの縮小
- コアローンのバランスシートからの圧縮は継続する見込み
- ただし、借り手側の成長とファンディング契約のタイミングのミスマッチにより、短期的には上下の変動がある可能性がある
- 長期的には確実にバランスシートを縮小させる方向
資金調達パートナーシップの状況
- 資金調達パートナーシップの割合は50%を超えており、今後もこの水準を維持する方針
- パートナーとの協力により、革新的な金融構造を開発中
- 教育プロセスを経て、Win-Winの関係構築を目指している
- 成長を見込んで、やや過剰気味に資金調達能力を確保する方針
競争環境
- 銀行などの伝統的な貸し手が慎重になる中、Upstartはクレジット改善の兆候を早期に捉えている
- パートナー銀行は流動性が増加し、より積極的にローン資産を求めるようになっている
- 2023年末まで続いていた流動性不足の状況は大幅に改善している
モデル改善の効果
- モデル18(M18)の導入により、APRの適切な設定が可能になった
- これにより、逆選択や正の選択に対する洞察が深まり、コンバージョン率が向上
- 2024年後半のガイダンス改善の大部分はこのモデル改善によるもの
株式報酬費用の方針
- 現状の方針から大きく変更する予定はない
- 従業員のミッションへの参加意識を高めるため、株式報酬は重要
- 役割やレベルに応じて、現金報酬と株式報酬のバランスを取っている
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