スーパーマイクロコンピューター(ティッカー:$SMCI)の2025年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $0.41 | $0.44 | × |
| 売上高 | $5.8B (YoY +9.2%) | $5.91B | × |
| ガイダンス 2026Q1EPS | $0.46 ($0.40~$0.52) | $0.59 | × |
| ガイダンス 2026Q1売上高 | $6.5B ($6.0B~$7.0B) | $6.55B | × |
| ガイダンス 通年売上高 | $33.0B | $29.79B | 〇 |
業績ハイライト
売上と成長率
| 項目 | 数値 | 前年比成長率 |
|---|---|---|
| Q4売上高 | $5.8B | +8% YoY |
| Q4 QoQ成長率 | +25% QoQ | |
| 通期FY2025売上高 | $22B | +47% YoY |
| FY2024売上高(参考) | $15B | – |
| FY2026通期ガイダンス(予測) | 最低$33B | +50%超 |
ポジティブ要素:
- AIおよびGreen Computing製品の需要が大幅に増加。
- 通期成長率+47%、FY2026もさらに成長を見込む(+50%以上想定)。
- 大型顧客とのパートナーシップ拡大:FY2024では1社、FY2025は4社に増加。FY2026には6〜8社を見込む。
ネガティブ要素:
- Q4売上は6月に一時的な落ち込みあり(資本制約、主要顧客の仕様変更による売上認識の遅延)。
セグメント別売上構成
| セグメント | Q4売上 | Q4構成比 | QoQ成長率 | YoY成長率 |
|---|---|---|---|---|
| エンタープライズチャネル | $2.1B | 36% | +6% | +7% |
| OEMアプライアンス&大規模DC | $3.7B | 63% | +40% | +2% |
| 5G・Telco・IoT | 1% | 1% | – | – |
補足(通期):
- エンタープライズ:39%(+38% YoY)
- OEM/大規模DC:60%(+50% YoY)
- Telco/IoT:1%
地域別売上構成(Q4)
| 地域 | 売上構成比 | QoQ成長率 | YoY成長率 |
|---|---|---|---|
| 米国 | 38% | -21% | -33% |
| アジア | 42% | +78% | +91% |
| 欧州 | 15% | +196% | +66% |
| その他 | 5% | +53% | -3% |
ネガティブ: 米国売上が減少傾向。
利益とマージン
| 指標 | Q4 FY25 | 通期 FY25 | 通期 FY24 |
|---|---|---|---|
| Non-GAAP 粗利益率 | 9.6% | 11.2% | 13.9% |
| Non-GAAP 営業利益率 | 5.3% | – | – |
| Non-GAAP EPS(希薄化後) | $0.41 | $2.06 | $2.12 |
| GAAP EPS(希薄化後) | $0.31 | $1.68 | $1.92 |
ネガティブ:
- 粗利益率が前年から継続して低下(13.9% → 11.2%)
- 価格競争と製品・顧客ミックス、関税影響が要因。
キャッシュフローと資本構造
| 指標 | Q4 FY25 | 通期 FY25 | 通期 FY24 |
|---|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー | $864M | $1.7B | ▲$2.5B |
| フリーキャッシュフロー | $841M | – | – |
| 在庫(期末) | $4.7B | – | – |
| 現金及び現金同等物 | $5.2B | – | – |
| 総負債(転換社債含む) | $4.8B | – | – |
| 純現金ポジション | $412M | – | $44M(前Q) |
ポジティブ:
- 現金創出力が急回復(前年度はマイナス)
- 新規に$2.3Bの転換社債発行、$1.8Bの売掛金ファシリティ締結で流動性確保
ガイダンス(FY26 Q1および通期)
| 指標 | Q1 FY26 見通し | 通期 FY26 見通し |
|---|---|---|
| 売上 | $6B ~ $7B | 最低$33B |
| GAAP EPS(希薄化後) | $0.30 ~ $0.42 | – |
| Non-GAAP EPS(希薄化後) | $0.40 ~ $0.52 | – |
| 粗利益率 | Q4 FY25と同程度(9.6%) | 長期目標は14〜17%を維持 |
戦略的施策・製品ハイライト
- **DCBBS(Data Center Building Block Solution)**を正式投入:
- モジュール型で迅速なAIデータセンター構築を可能に
- 一部製品(電源、BBU、冷却ソリューションなど)はすでに出荷開始
- 今後2〜3四半期で本格拡大、FY26後半には20〜30%の売上構成比を目指す
- AI向け製品(B200, B300, GB200, GB300プラットフォーム):
- NVIDIA/AMD最新GPUへの対応
- タイム・トゥ・マーケット優位性を強調
- 新製品投入による後半偏重な成長を想定
- ターゲット市場の拡大:
- 従来のクラウドに加え、エンタープライズ、IoT、Telcoを戦略的重点市場に
- サブスクリプション型サービスやオンサイトサポートを拡充
- Sovereign AI案件(国家主導のAIインフラ):
- 欧州、中東、アジアなどで複数進行中
- 長期的な成長ドライバーかつ高利益率の可能性
質疑応答ハイライト
売上見通しとペース(Raymond James)
Q: FY26通期$33Bに対し、Q1は$6〜7B。後半偏重の理由は?チップの供給遅延が影響?
A(CEO Liang):
- FY24の10-K遅延に伴う資本制約がFY25前半に影響。
- FY26はDCBBSとAI製品で本格成長。
- 一部顧客がGB300/B300を待機中、出荷準備は整っており、NVIDIAの出荷次第。
成長 vs マージン戦略(BofA)
Q: 市場シェア重視か利益重視か?両立できる根拠は?
A(Liang):
- 単なる価格競争ではなく、「価値提供型戦略」を推進。
- DCBBS + サービス提供で高マージンを確保。
- AI工場構築の「時間短縮+コスト最適化」ニーズに応える。
Sovereign AI案件(BofA)
Q: Sovereign顧客とのMOUの収益化タイミングや利益率見通しは?
A:
- 欧州・アジア中心に引き合い多数。
- DCBBSを軸に大規模案件獲得中。
- 利益率は未確定だが、「完全ソリューション提供」ゆえに上振れ期待あり。
顧客の意思決定遅延と需給状況(Loop Capital)
Q: H100/B200と同様に、B300/GB300でも意思決定遅延は続くか?
A(Liang):
- NVIDIAの多様な新製品が影響。
- DCBBSにより小規模・中規模DCにも迅速展開可能。
大口顧客の定義と構成(JPMorgan)
Q: FY25の>10%顧客の割合と構成?
A(CFO Weigand):
- A〜Dの4社が該当、構成比は11%、11%、11%、21%
- 将来的にはさらに顧客層を拡大。
DCBBS売上比率見込み(Northland)
Q: DCBBSのQ1売上構成比は?
A:
- Q1はまだ少額。
- FY26後半にかけて20〜30%の売上構成比に成長予定。
マージン改善の見通し(Needham)
Q: DCBBSやエンタープライズ戦略で、粗利率14〜17%に回帰可能か?
A(Liang):
- DCBBS、IoT、サービスなどでより高い利益率確保が可能。
- 長期的には15〜17%の粗利益率を目指す方針を維持。

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