ペイパル(ティッカー:$PYPL)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.20 | $1.07 | 〇 |
売上高 | $7.8B (YoY +5.4%) | $7.89B | × |
ガイダンス 2024Q4EPS | $1.095 ($1.07~$1.12) | $1.10 | × |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $8.18B ($8.10B~$8.26B) | $8.46B | × |
ガイダンス 通年EPS | $4.515 ($4.48~$4.55) | $4.42 | 〇 |
業績ハイライト
主要財務指標
- 総取引高(TPV): 4,230億ドル(前年比9%増)
- 売上高: 78億ドル(為替中立ベースで6%増)
- 取引マージン: 37億ドル(8%増)
- 非GAAPベースEPS: 1.20ドル(前年比22%増)
- フリーキャッシュフロー: 14億ドル
ユーザー指標
- アクティブアカウント: 4億3,200万(前四半期から約300万増加)
- 月間アクティブアカウント: 2億2,300万(前年比2%増)
- アクティブアカウントあたり取引件数: 61.4件(前年比9%増)
事業戦略の進捗
- Fastlaneの導入が1,000以上の加盟店で進展
- PayPal Everywhereの立ち上げ後、100万以上の新規デビットカードユーザーを獲得
- Venmoデビットカードの月間アクティブアカウントが30%成長
- 新しいチェックアウト体験により、最大400ベーシスポイントの転換率向上を実現
質疑応答ハイライト
Braintreeの価格戦略について
- 加盟店との価格交渉は戦略的で健全な対話として進展
- 単なる決済処理だけでなく、広告プラットフォームやリスク管理などの付加価値サービスを含めた包括的な提案を実施
- 収益性を重視し、一部の大手加盟店との契約見直しにより処理量は減少するものの、より健全な利益構造を実現
Fastlaneの展開状況
- 1,000以上の加盟店で導入済み、主に中小企業が中心
- 大手企業は休暇シーズン後のQ1からの本格展開を予定
- マルチプロセッサー戦略が重要で、AdyenなどのパートナーとのFastlane統合を進める
- 非PayPalユーザーの30%がFastlaneにオプトインし、新規ユーザー獲得チャネルとして機能
2025年の見通しについて
- 取引マージン(金利収入除く)は2024年と同等以上の成長を期待
- 営業費用は2024年同様、低単位での増加を想定
- Braintreeの契約見直しの影響により、収益は一時的に減速するが、長期的な収益性は改善
- PayPal EverywhereやFastlaneなどの新規イニシアチブによる成長を期待
ブランドチェックアウトの成長について
- 現在の6%成長は安定的に推移
- 新しいチェックアウト体験は米国のチェックアウトトラフィックの5%で展開中
- モバイル体験の改善により、レイテンシーを45%削減
- PayPal Everywhere、Fastlaneなどの施策を通じて、さらなる成長を目指す
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