エヌビディア(ティッカー:$NVDA)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.81 | $0.75 | 〇 |
売上高 | $35.08B (YoY +94%) | $33.13B | 〇 |
ガイダンス 2025Q3売上高 | $37.5B ($36.75B~$38.25B) | $37.03B | 〇 |
業績ハイライト
売上・収益の状況
- 第3四半期売上高は351億ドルで、前期比17%増、前年同期比94%増
- GAAP粗利益率は74.6%、非GAAP粗利益率は75%
- 第3四半期に株主還元として112億ドルを実施(自社株買いと配当)
- 営業費用は前期比9%増(新製品導入関連コスト増)
部門別業績
- データセンター:308億ドル(前期比17%増、前年同期比112%増)
- H200の売上が大幅増加し、数十億ドル規模に到達
- クラウドサービスプロバイダー向けが約半分を占め、前年同期比2倍以上
- ソフトウェア・サービス・サポート収益は年換算15億ドル
- ゲーミング:33億ドル(前期比14%増、前年同期比15%増)
- ProViz:4.86億ドル(前期比7%増、前年同期比17%増)
- 自動車:4.49億ドル(前期比30%増、前年同期比72%増)
ネットワーキング事業
- 前年同期比20%増
- Spectrum-X Ethernet for AI収益は前年同期比3倍以上
- InfiniBand、Ethernetスイッチ、SmartNIC、BlueFiled DPUで成長
グローバル展開
- インドの主要CSPがGPU導入を年末までに10倍に拡大予定
- ソフトバンクが日本最強のAIスーパーコンピュータを構築予定
- 中国のデータセンター収益は輸出規制準拠製品で成長
第4四半期見通し
- 売上高375億ドル(±2%)を予想
- GAAPおよび非GAAP粗利益率はそれぞれ73%、73.5%(±0.5%)
- BlackwellのGPUは需要が供給を上回る状況継続
- ゲーミング部門は供給制約により減収予想
質疑応答ハイライト
大規模言語モデルとAI展開
- 3つのスケーリング方法の確立:
- 事前学習スケーリング
- 事後学習スケーリング
- 推論時スケーリング
- 次世代モデルは10万台のBlackwellからスタート
- インフェレンス市場の拡大:
- 企業内での24/7利用拡大を期待
- 物理AIによる産業用AIとロボティクス需要増加
- 高精度・高スループット・低レイテンシーの同時実現が課題
Blackwell関連
- 生産は順調で、当初想定超の出荷ペース
- 7種類の異なるチップで構成
- 複数の冷却方式やネットワークオプションに対応
- 粗利益率:
- 立ち上げ初期は低70%台
- その後、中70%台まで改善見込み
- 2025年後半には中70%台への回復期待
市場・戦略展望
- 1兆ドル規模のデータセンター近代化需要
- コーディングから機械学習への移行進行
- AIファクトリーとしての新データセンターコンセプト
- 主権AI(Sovereign AI)の展開:
- 各国で独自言語・文化ベースのモデル開発
- 欧州・アジア太平洋地域で成長
- 地域クラウド・AIファクトリー構築進行
今後の展開
- 年次ロードマップに沿った開発継続
- パフォーマンス向上とコスト削減の両立
- 電力効率向上による顧客収益最大化
- 新政権対応は規制遵守を最優先しつつ、顧客サポートと競争力維持を実現
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