トランスメディックス(ティッカー:$TMDX)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.35 | -$0.01 | 〇 |
売上高 | $96.85M (YoY +132.8%) | $83.77M | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $395M ($390M~$400M) | $365M | 〇 |
業績ハイライト
2024年第1四半期の業績ハイライト
- 売上高は9,690万ドルで、前年同期比133%増、前期比19%増
- 米国の移植関連売上高は9,190万ドルで、前年同期比145%増、前期比22%増
- 粗利率は62%で、前年同期の69%から低下、前期の59%から上昇
- GAAPベースの営業利益は1,240万ドル(売上高の13%)で黒字転換
- 当期純利益は1,220万ドル
- 保有航空機は14機に拡大
2024年の業績見通し
- 通期の売上高ガイダンスを3億9,000万ドル~4億ドルに上方修正
- 2023年比で61%~66%の成長
- 四半期ごとの緩やかな増収を見込む
- サービス売上高比率は37%~39%の見通し
- 粗利率の改善を見込む
質疑応答ハイライト
製品売上高の伸長要因について
- 臨床成績の向上が最も重要な要因
- 肝臓移植では継続的に成長
- 心臓・肺移植では、新しい使用モデルによる成績向上を周知徹底
- ロジスティクス事業の成長も寄与
- アクセスが難しかった症例へのアクセスが可能に
今後の業績見通しの考え方
- 第2四半期は一部の航空機が年次点検のため利用できない期間がある
- 夏季休暇やホリデーシーズンの季節性も考慮
- 従来よりも大きな規模からのスタートであることも念頭に
肝臓移植におけるOCSの優位性
- 脂肪肝に対する温灌流の優位性を示すデータをILTSで発表予定
- 他の方法では15%以上の脂肪肝が対象
- OCSでは25~30%以上の重度脂肪肝でも良好な成績
- 冷保存や冷灌流と比較して温灌流の優位性は明らか
心臓移植領域での競合について
- 競合の6時間超の冷灌流は欧州の試験で主要評価項目未達
- 患者の予後を守るためには慎重な適応設定が必要
- 6時間以内の標準的ドナー心臓に対する低コストソリューションを提供予定
- 6時間超の長時間灌流には温灌流の方が適していることを示したい
次世代システムの適応拡大戦略
- 標準的ドナー心臓の温虚血時間6時間以内が現在の適応外
- 4時間以内で年間約900例、6時間以内で約1,200例の市場
- 市場規模に関わらずこのセグメントを取り込みたい
- 2年以内に全ての心移植にTransMedics製品を使ってもらうのが目標
- 肺や肝臓と同様に心臓でもFDAの適応を拡大したい
航空機の減価償却方法と収益性について
- 航空機は10年償却、残存価値は50%
- 航空部門の収益性は他のサービスよりやや低いが詳細は非開示
- サービス全体の粗利率は36%、今後も改善の余地あり
欧州での事業展開について
- 欧州や中東でもNOPモデルへの注目度が高まっている
- 各国から導入に向けた協業の打診あり
- 米国と同様の課題解決にはNOPが有効と認識
- 一方で、まずは償還体系の整備を優先
- サービスへの適切な報酬を確保することが先決
- 欧州でのNOPは臨床支援サービスのみを想定
- 移植コーディネーターサービスや外科的摘出術は含まない
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