Zスケーラー(ティッカー:$ZS)の2024年第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.88 | $0.65 | 〇 |
売上高 | $553.2M (YoY +32.1%) | $536M | 〇 |
ガイダンス 2024Q4EPS | $0.695 ($0.69~$0.70) | $0.67 | 〇 |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $566M ($565M~$567M) | $565M | 〇 |
ガイダンス 2025通年EPS | $3.00 ($2.99~$3.01) | $2.76 | 〇 |
ガイダンス 2025通年売上高 | $2.141B ($2.140B~$2.142B) | $2.12B | 〇 |
業績ハイライト
業績概要
- 売上高は前年同期比32%増の5億5300万ドル、ビリングは前年同期比30%増の6億2800万ドル
- 年間経常収益(ARR)が100万ドル以上の顧客数は前年同期比31%増の523社、ARRが500万ドル以上の顧客数は50社を超える
- 営業利益はほぼ倍増し、営業利益率は過去最高の22%を達成
- 第3四半期にはGAAPベースで初の純利益を計上
製品の状況
- ゼロトラスト・エクスチェンジ・プラットフォームへの需要が継続
- コア・プラットフォームを複数の分野でイノベーションを加速させて拡張
- データ保護分野では、データ・セキュリティ・ポスチャ・マネジメント(DSPM)と汎用AI向けアプリケーションセキュリティの2つの重要な製品を追加
- ゼロトラスト・ネットワーク・セグメンテーションを導入し、プラットフォームを支店、キャンパス、工場のローカルエリアネットワークにまで拡張
- 脆弱性管理の統合により、AIクラウドソリューションを拡張
- 有機的なイノベーションと戦略的な買収の両面でプラットフォームの迅速な拡張を継続
質疑応答ハイライト
セキュリティの統合について
- 顧客はベストオブブリードのプラットフォームに沿った統合と簡素化を求めている
- Zscalerはレガシーのポイント製品を多数置き換えることで、統合において大きな役割を果たしている
- 顧客は2〜3層のセキュリティを求めており、Zscalerはインラインでの役割を担っている
専業SASE企業との競合について
- 大企業市場においては、専業SASE企業との競合はほとんどない
- 市場の機能性は静的ではなく、進化し続けている。Zscalerは常にイノベーションのスピードで先行している
- データ保護分野ではZscalerが突出しており、追随を許さない
- 顧客満足度の高さがZscalerの強みであり、ネットプロモータースコアは79と非常に高い
セールス組織の入れ替わりについて
- COOの退任に伴い、予想以上の離職率となったが、第4四半期には安定すると見込んでいる
- スキルセットの適合など複合的な要因が影響している
- 主要なリーダーの採用が進み、マイク・リッチのマネジメントチームの体制が整った
- Zscalerのブランド力を活かし、優秀な営業担当者の採用ペースを加速させている
成長と収益性のバランスについて
- Zscalerのプラットフォームは初期段階にあり、製品ベースを拡大している有望な新興市場に位置している
- 当面はトップラインの成長に注力し、投資を継続する方針
- 事業の成長に合わせて、自然に収益性も向上すると見込んでいる
- 2025年度の営業利益率は2024年度と比べてわずかに上昇する程度になると予想される
セールスの実行力と新製品の状況について
- 営業リーダーシップの交代にもかかわらず、セールスの実行力は非常に高かった
- 縦割り組織化の取り組みは順調に進捗しており、期待通りの成果が出ている
- 継続的な成長を支える最大の要因は、CPA(ZPA)の力強い成長とZDX(デジタルエクスペリエンス)の大幅な成長、データ保護ポートフォリオの拡大
- ゼロトラスト・セグメンテーションとAvanarの買収により、大きな新市場に参入できる
- 新製品は売上高全体からみればまだ小さいが、将来の成長ドライバーとして期待できる
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